◇苦労が多い分、喜びも大きく◇
最初に街づくりの面白さを肌で感じたのは大学生の時。カリキュラムの一環で、河川の改修に合わせて行う街づくりのプロジェクトに携わったことが、将来の道を決めるきっかけになった。
07年度の入庁以来、道路関係の業務を続けて担当してきたが、4月から鉄道の新線整備の計画検討などを所管する部署に。「多様な分野のインフラ整備を学びたい」との思いがかねてあっただけに、「希望をかなえてもらったと感謝し、技術者としてのレベルアップを目指していく」。
部署内は、東京圏の都市鉄道のあり方に関する国の新たな指針が公表されたことを受け、鉄道事業者や関係自治体などとの協議で忙しい毎日。担当するプロジェクトは、多摩都市モノレールの延伸と羽田空港アクセス線の新設だ。「都の考えだけでは事業化は実現しない。各関係者の意向をどうまとめられるか、調整を繰り返している」。
計画を立案する業務に関わるのは初めてではない。昨年度末までの3年間は、新たな都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)の策定を担当。調整は困難の連続でもあったが、出来上がるまでの苦労が多かった分、完了した時の喜びも大きくなった。当時の経験は今の職務にも十分生かせる財産だ。
都政の最前線では、自分以上に経験豊富な先輩の女性職員たちが、結婚や出産の後も活躍を続けている。その背中を目標に、「どんな場面でも通用する柔軟性を身に付けた技術者になる」と熱意を秘める。
(交通企画課企画担当主任、むたぐち・ちひろ)
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