内閣府男女共同参画局が中心となって行っている進路選択応援の取り組み「理工チャレンジ(リコチャレ)」の一環で7月29日、西松建設北日本支社が施工を担当している宮城県名取市の大規模造成現場に女子小・中学生の親子27人が訪問し、同現場に勤務する女性技術者の案内で土木工事の作業所を見学するとともに、建設車両の試乗体験などを楽しんだ。
この現場は同市閖上地区の約56ヘクタールに及ぶ広大な用地を約4メートルかさ上げして住宅地などを整備する「名取市被災市街地復興土地区画整理事業」で、設計・施工を西松建設・鴻池組・佐藤工業・グリーン企画建設・パシフィックコンサルタンツ・オオバJVが担当している。
子供たちを案内したのは5人のけんせつ小町。その一人、土岐宥美子さんは自身がどんな仕事を担当しているか、日常業務の説明を通して造成工事の内容を分かりやすく解説。計画から施工までのプロセスや建設技術者の役割などを丁寧に紹介した。
土岐さんは入社2年目。新人の配属時からこの現場で工事管理や測量などを任されており、「想像以上に大きな造成面積であることや、津波被災からの復興という工事の意義を感じて身を引き締めています。自分が子供のころ、このような体験学習はなかったので、少しでも建設について興味を持ってもらえればうれしい」と期待を寄せていた。
宮城県利府町の造成現場からリコチャレのサポートにきた一瀬愛可さんは土岐さんと同期入社。一瀬さんは「祖父が建設の仕事をしていて、私も何かものづくりをしたいと考えて就職しました。小さなころの体験は意外と大事なきっかけになるので、きょうの体験が思い出になるよう期待しています」と話していた。
同現場の武田修治統括所長は「土木の現場はダイナミックに見えるが、造成と同時にインフラ整備や区画道路づくりなど実際には複雑で緻密。毎日の作業の繰り返しには忍耐が要る。(土岐さん、一瀬さんの)2人とも日ごろから快活で良い仕事をしている」と、けんせつ小町の仕事ぶりを評価していた。
初めての土木現場に最初は緊張気味だった子供たちも、明るいお姉さんたちの案内に安心して現場を見て回り、ダンプトラックや振動ローラーへの乗車体験では暑さを忘れて満面の笑顔になっていた。
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