日本とフィリピンの自治体がPPP(官民連携)の取り組みで交流を深めている。富山市と群馬県板倉町の職員らは、11~13日にフィリピン・ミンダナオ島北東部の中心都市・ブトゥアン市を訪問。同市で進む民間主導型PPPによる地域開発プロジェクトの現場を視察したほか、ロニー・ラグナダ市長らと意見を交わした。
6月に就任したラグナダ市長は、ブトゥアン市の地場ゼネコンでCOO(最高執行責任者)を務め、長大など日系企業と地域開発事業を展開してきた。日本の先進的施策を取り込むことで同市を中心とするカラガ地域全体の低炭素型地域開発を効率的に進めるため、東洋大学PPP研究センターのアジアPPP研究所を通じ、日本の自治体と連携関係の構築に取り組んでいる。
今回の訪問では、連携先候補の富山市、板倉町に加え、銀行、民間企業、、国際協力機構(JICA)、日本貿易振興機構(JETRO)マニラ事務所の職員が参加。サム田渕東洋大アジアPPP研究所所長、難波悠国連CoE地方政府PPPセンター代表も招かれた。
2日目は、拡張計画が行われているナシピット港とマサオ港などを視察したほか、フィリピンの政府関係者に日本の先進的な取り組みとして、富山市が進めるLRT(次世代型路面電車)網と整合したコンパクトシティーによる低炭素型まちづくりなどを紹介した。
最終日には、富山市の担当者が同市に拠点を置く民間企業と連携した都市ごみを燃料にした廃棄物による発電を説明し、低炭素型都市づくりに向けた施策の共有を提案。板倉町の担当者は、農業研修の人材交流などを提案した。ブトゥアン市の長期的な展望、開発コンセプト、予算・組織の裏付けなどの必要性についても議論された。
ブトゥアン市は、先進的な自治体施策や組織体制・制度・システムなどを市政運営に生かすと同時に、日本企業の進出を呼び込む方針という。
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