2016年8月30日火曜日

【回転窓】短くなった夏休み

 8月も最終週を迎えた。かつて子どもの夏休みといえば、冬休みの長い北国の学校を除いて8月31日までと決まっていたが、最近は必ずしもそうではないらしい▼東京都教育委員会のウェブサイトによると、3学期制の公立学校で2学期の始業式を8月31日以前に行うのは、小学校が1016校のうち329校、中学校が491校のうち210校。小学校の3割強、中学校の半分近くでもう2学期が始まっていることになる▼夏休み短縮の背景には「脱ゆとり教育」による授業時間の増加があるという。各校とも夏休み短縮に加えて土曜授業を行うなど授業時間の確保に四苦八苦していると聞く。8月31日まで寸暇を惜しんで野山に遊んだ元少年の目から見ると、休みの減った子どもたちが気の毒というほかない▼ゆとり教育の是非はおくとしても、子どもたちの尻をたたいて授業に追い立てるのはどうだろう。夏休みをたっぷり遊びほうけて学ぶことも多い、と言ったら批判されようか▼日本の学校は、先生も世界一忙しいといわれる。残業を減らし生活にゆとりをというのが世の流れ。学校だけが無縁でよいのか。 

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