夏休みシーズンに入り、建設関連の企業や団体が子どもたちや学生をターゲットにしたイベントを相次ぎ開催している。
◇女子高校生が3DCADに挑戦◇
キャタピラージャパンは3日、兵庫県明石市の同社明石事業所で女子高校生向けの職場体験イベントを開いた。
内閣府の男女共同参画局が推進している理工系女子学生を応援するプロジェクト「理工チャレンジ(リコチャレ)」の一環で行われたイベントで、13人が参加。普段は見ることのない建設機械の製造工程を見学してもらったほか、女性社員との交流を通じて理工系の仕事の魅力を伝えた。
「キャタピラーのエンジニア1日体験」をテーマにした体験会。参加者は、同事業所内の工場見学や油圧ショベルに試乗した後、開発者が実際に使用している3次元(3D)CADソフトを使用して、ボルトにそれぞれの参加者のイニシャルを刻印する3Dモデル作成を体験した。
「工程が進むにつれて建設機械がどんどん出来上がっていく様子が見られて面白かった」「今回は3DCADシステムを使ってイニシャルを刻印するだけの作業だったが、今後はもっと難しい作業を体験したい」「建設機械を見る機会が無かったが、貴重な経験になった」などと充実した表情で話す参加者が多かった。
同社によると、来年度も引き続き同様の理工系女子学生を受け入れるイベントを予定しており、積極的に将来の女性技術者育成を行っていくという。
横浜建設業協会と神奈川県鉄筋業協同組合は1日から3日まで、専門学校生11人をインターンシップ(就業体験)で受け入れた。建設業振興基金が認証する「地域連携ネットワーク構築支援事業」の一環。学生らは会員企業数社に分かれ業務内容の説明や現場見学などを体験した=写真。
主催したのは横浜市建設業若年者入職促進検討会。構成メンバーは横浜建設業協会、神奈川県建設業協会横浜支部、横浜市電設協会、神奈川県鉄筋業協同組合、横浜建設業青年会。今回は横浜建協と鉄筋業協組の会員企業が受け入れた。
参加したのは日建工科専門学校建築設計科の1年生11人。1~2人に分かれ3日間で建築、土木、鉄筋の会社や現場で会社概要の説明、施工中の現場体験、完成現場見学、実技体験などを行った。
受け入れた企業は、横浜建協が▽松尾工務店(建築)▽渡辺組(同)▽佐藤薫工務店(同)▽安藤建設(同)▽杜企画(同)▽小雀建設(同)▽馬淵建設(土木)▽チュウバチ(同)▽宮本土木(同)▽岩野建設(同)▽親和興業(同)、鉄筋協組が▽ランテック▽天内鋼業▽スチール・ワン▽田中工業▽小林鉄筋工業所▽原鉄筋工業所。
◇札幌ドームで自然観察会◇
札幌ドーム(札幌市豊平区)が環境啓発活動の一環で行っている小学生向け自然観察会が2日、ドーム敷地内で開かれ、大成建設が同ドーム建設計画時から取り組んでいる生物多様性の実現に向けた技術などを紹介した。参加者は3時間にわたり同ドーム周辺の自然に親しみながら、生物多様性の大切さを学んだ。
札幌ドーム主催の自然観察会「札幌ドーム生き物探検隊!~ドームに暮らす鳥や昆虫を観察しよう~」は、昨年度に続き2回目の開催。今回は小学校3~6年生と保護者16人が参加した。
観察会では、大成建設環境本部環境計画部スマートコミュニティ推進室の内池智広課長が技術説明員として参加し、ドームの建設に当たって採用された生物多様性を実現する技術を解説。参加者は専門家のガイドの下、ドーム周辺に生息する鳥や昆虫を観察し、敷地内での緑化の成果や周辺を含めて形成されている豊かな生態系を自身の目で確認した。
大成建設は札幌ドームの建設計画当初から、同社が開発した生物多様性環境計画技術「エコロジカルプランニング」を導入した。施設や建物の計画地を水・緑・風・人の四つの視点と、広域・中域・狭域の三つのスケールで分析し、その地域に最適で豊かな環境づくりを計画・実現する技術で、計画段階の97年から竣工後16年目となる現在も、札幌ドームと協力しながらモニタリングを継続している。
15年には札幌ドームが取り組んでいる「札幌ドームECO MOTION」とともに、エコロジカルプランニングが「国連生物多様性の10年日本委員会認定連携事業」に認定されている。
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