2016年8月5日金曜日

【回転窓】「働き方改革」への期待

生産年齢人口の減少によって、1人当たりの労働負担が増大している。統計的にどうかは別にしても、就職した四半世紀前に比べると、随分と余裕がなくなっているような実感がある▼そうした中、政府が「働き方改革」に本腰を入れるそうだ。3日の内閣改造で担当相も配置。長時間労働の改善や同一労働同一賃金の実現を目指し、そのための実践的な計画を年度内に策定するという▼ワークライフバランス(仕事と家庭の調和)によって持続的に働くことができる環境を整備することは今後一層大きな課題になる。その際に必要なのは、単にバランスを取るだけでなく、相乗効果を引き出せるようにすることではないか▼先日取材した建設会社の社長は十数年前からそれを実践。ワークシェアリング(仕事の分かち合い)とセットにした経営戦略を進めてきた。夫の扶養で短時間でしか働けない女性も受け入れ、勤務形態の異なる独身者とチームを組んで一緒に成果を上げるのだという▼多様な働き方さえ許容できれば、取り込める労働力はまだあるはず。「働き方改革」と銘打った政府の取り組みに注目したい。

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