土木学会は、市民向けにインフラの役割を分かりやすく紹介するインターネット上の博物館「土木博物館」を開設した。
土木の全領域を扱う日本初のオンライン博物館で、地球全体を土木の博物館に見立て、独自の映像作品と土木図書館が所蔵するデジタルアーカイブなどを使って、テーマごとに土木の世界の魅力を伝えていく。
オープニング企画展は「東京インフラ解剖」。東京の暮らしを支えるさまざまなインフラを人体の器官に見立て、巨大で複雑な東京という「有機体」を形成するインフラの役割を解説する。
5日に東京・四谷の同学会で記者会見した土木デジタルミュージアム運営小委員会の北河大次郎委員長は「土木構造物は一つ一つが巨大で、まちなかの博物館に展示できるようなものではない。ネットと映像などのデジタルデータを活用すれば、その魅力の一端を伝えることが可能と考えた。すべての人が都市や国土に対する思いを育むことができる『開かれた場』でありたい」と話した。
ドボ博・骨格系の「東京インフラ013・荒川放水路」より |
人体と関連付けて説明できる東京の主要インフラ(東京港、羽田空港、築地、勝鬨〈かちどき〉橋、レインボーブリッジ、、上野駅、岩淵水門、旧三河島汚水処分場など)88カ所を選び出し、独自のアングルで撮影した映像作品、構造物の生成過程を記録した古図面や古写真に加え、小説や随筆などの中で著名作家が書き残した関連の文章を掲載。作家の感受性も借りて、土木インフラの魅力を多角的な視点から伝える。将来的に108カ所に増やす。興味を持った人たちが構造物に足を運べるようその位置が分かる地図も掲載している。
0 comments :
コメントを投稿