2016年8月4日木曜日

【輝く!けんせつ小町】ジェイアール東海コンサルタンツ・川村真奈花さん

 ◇女性の感性生かして◇

 JR東海グループのジェイアール東海コンサルタンツで踏切や橋梁の補強・補修などの設計業務に携わる。生まれも育ちも愛知県豊田市。12年に名古屋工業大学工学部都市社会工学科を卒業し同社に。暮らしに欠かせない構造物をつくり、“地図に残る仕事”に憧れて土木の道を選んだという。

 とは言っても「大学に入るまで土木と建築の違いも理解していなかった」と正直な言葉。名工大都市社会工学科は1学年50人。うち女性は2割ほど占めていた。絶対数は少ないが、一昔前と比較すると着実に増えている。「土木の仕事は業種が多く、女性でも十分に活躍できる」と女性ならではの感性を生かした働き方を訴える。大学の卒業論文のテーマは、まちをつくるというスケールの大きさに魅力を感じて「都市計画論」を選択した。

 社会人になって5年目に入った。「まだまだ学ぶことが多く、日常業務で壁にぶつかることもたびたび」とか。顧客の多くは、鉄道と交差する道路や高架橋を管理する自治体。経験も浅く補助的な業務が多いが「技術者としてスキルアップし、早く自分の設計したものが、形になるところを見たい」と願っている。仕事の喜びは「提案した設計がお客さまに受け入れられた時」。自治体担当者に評価された経験が次へのステップにつながっているという。コンサルタント業務は、ものづくりの川上に位置する重要な仕事だが、納期に追われる厳しい側面もある。

 「幸いに先輩や後輩に女性土木技術者がいるので、気軽に相談できるのはありがたい。また会社には、産休や育休制度などもあり、安心して働ける環境が整っている」

 職場には女性専用の作業服もあり、細かい配慮をうれしく思っている。国土交通省の進める道路の老朽化対策の一環で跨(こ)線橋の点検・診断・措置の仕事が多くなり、これから現場に出る機会が増えそうだ。女性技術者の熟練者は少なく、将来像としての「ロールモデル」はまだない。「自分たちがそのモデルにならなければ」との思いが日々を支えている。

 (土木事業部、かわむら・まなか)


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