建設コンサルタンツ協会(建コン協)近畿支部(兼塚卓也支部長)は3日、和歌山市内の近代土木遺産を巡る現場研修会(共催=NPO法人あすの夢土木)を開いた。
完成後110年以上がたつ南海電鉄の紀ノ川橋梁や旧日本軍の砲台跡などが残る無人島「友ケ島」=写真㊧を見学。会員とその家族ら約80人が参加し、インフラの重要性を感じながら夏休みの楽しいひとときを過ごした。
研修会は、今も人びとの暮らしを支えている土木遺産からその歴史と土木の重要性を学ぶとともに、将来に向けてどのような社会基盤施設を創出し、残していくべきかを考える目的で開催。今年が10回目。若手やベテランの技術者に加え、小学生ら会員の家族も多く参加した。
最初に訪れたのは、和歌山城の外堀一堀川に架かる「寄合橋」。1941年に完成したアーチ橋で、戦時中の大空襲で焼夷(しょうい)弾を数多く受けたが、現役で活躍している姿に関心を寄せていた。
次に南海本線紀ノ川橋梁(延長627メートル)=写真㊨を見学。1903年に完成した上り線(下路曲弦プラットトラス3連)はアメリカ製、その20年後に完成した下り線(下路曲弦ワーレントラス3連)は国産の橋梁で、河川敷から記念写真を撮るなどした。
この後、加太港から船に乗り、正午過ぎに友ケ島に到着。現地ガイドとともに明治時代から終戦まで大阪湾を防衛する目的で使われていた旧日本軍の砲台や弾薬庫など軍事施設を歩いて巡り、興味深そうに見学していた。
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