2018年4月11日水曜日

【中道場棟、6月着工へ】日本武道館増築・改修、竹中工務店に

 日本武道館(高村正彦会長)は、20年7月に開会する東京五輪に備え計画している日本武道館(東京都千代田区)の増築・改修工事の施工者を竹中工務店に決めた。

 「中道場棟」と呼ぶ練習施設の増築、既存本館の大屋根改修、天井耐震化、バリアフリー化などを行う。中道場棟は6月ごろ着工し、19年6月の竣工を目指す。その後、20年6月をめどに本館改修を終える。

 2月に入札を行い、6日に同社と契約締結した。入札には数社が参加。基本・実施設計は山田守建築事務所に別途委託している。

 日本武道館(千代田区北の丸公園2の3)は、地下2階地上3階建て延べ2万1133平方メートル(最高高さ42メートル)の規模。大道場と小道場を備えている。現状の規模では五輪参加選手の練習に対応できない可能性があり、既存館南側の敷地に中道場棟(SRC一部S造地下2階地上1階建て延べ3070平方メートル、最高高さ8メートル)を増築することにした。

日本武道館総務部の永嶋信哉部長によると「練習施設としての広さは大道場の半分程度になる」という。事務所、食堂、ホールも配置し、地下通路で本館と接続する。資材搬出用のエレベーターも設置する。

 着工に先立ち、建設予定地では山田守建築事務所と加藤建設が埋蔵文化財発掘調査を実施中だ。
現在の日本武道館。
中道場棟は本館の隣接地(写真右側)に建設される
中道場棟の完成後、五輪のプレイベントを開いてから既存館の改修に着手する。防火性や避難の安全性の向上などを目的とした大屋根のふき替え、天井の耐震化を進める。永嶋部長は「これまで対症療法的な屋根の補修は行ってきた。全体をふき替えるのは初めて」と話す。

 擬宝珠(ぎぼし)が特徴的な屋根のデザインや高さは変えない。車いす利用者を想定した館内とトイレのバリアフリー化も行う。改修工事の期間中は休館とする。

 日本武道館は1964年に完成し、同年開催の東京五輪で柔道の競技会場となった。当時の設計・施工も山田守建築事務所と竹中工務店が担当している。今度の五輪は柔道・空手、パラリンピックでは柔道が行われる。増築・改修の事業費(非公表)は国、都、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、日本武道館の4者で分担する方向だ。

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