テレビや新聞のニュースで、事件を起こした人の職業が「建設作業員」「土木作業員」などと報じられることが少なからずある。ただこれは本人が職業を問われて話した「自称」がほとんどという▼こうした報道の繰り返しが結果として、建設業界のイメージ改善を難しくする一因になっているのではないだろうか。産業間での人材獲得競争が激化する中、マイナスイメージを何とか払拭(ふっしょく)しなければと考え、奮闘する業界関係者は多い▼今秋に運用開始となる建設キャリアアップシステムの登録申請が5月から始まる。業界統一ルールで技能者の経歴や能力を蓄積し、処遇改善に役立てる狙いがある▼システム構築はもちろん重要なのだがそのこと以上に、技能者一人一人にIDが付与されるのは業界にとって大きな出来事。「IDを持つ技能者は建設業界が認めた人材」という認識が社会に定着すれば、建設作業員に対するイメージもおのずとかわるであろう▼業界が技能者の社会的地位向上を求めるようになって久しい。誇りとやりがいを持って働ける産業。大きな期待を受け、システムは稼働への準備が進む。
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