2018年4月4日水曜日

【回転窓】引き算の視点も大切に

生産性は低いが、それだけ伸びしろが大きい-。建設産業の生産性を巡る議論で指摘されることだが、日本の旅館業(宿泊業)も同様の状況にあるようだ▼旅館業の大半は中小企業が占める。このためか、勘と経験に頼る経営が少なくなく、生産性は欧米と比べて2分の1にとどまっている。先日、日本生産性本部が開いた第2回生産性シンポジウムのパネルディスカッションで、日本旅館協会の針谷了会長がそうした現況も紹介しながらサービス産業の生産性向上について話した▼旅館業でも機械化やIT化が欠かせないのは言うまでもない。同時に〈お客さま目線〉のサービスをいかに徹底するか。インバウンド(訪日外国人旅行者)需要の取り込みなどと合わせ、これからも必要な取り組みの一つだという▼昔から当たり前とされてきたことでも改めて見直し、必ずしも要望と一致しないサービスなら思い切ってやめる。これも生産性を高める有効な一手になろう▼何でも良かれと新たに取り入れてばかりでは、どこかで働く人たちの負担が増してしまうかもしれない。引き算の視点も忘れずに生産性改革と向き合いたい。

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