2018年4月17日火曜日

【回転窓】集合と離脱

英国が欧州連合(EU)を離脱する来年3月まで残り1年。現地では離脱交渉が進む▼独自の道を歩む国がある一方、連携に向かう国も多い。中国やラオス、ミャンマーなどメコン河流域の6カ国が道路などインフラの共同開発を目指す「拡大メコン地域(GMS)経済協力プログラム」は一つの事例。GMSの首脳らは3月末、合計220事業、総額約7兆円を盛り込んだ行動計画に合意した▼米国でもトランプ大統領が今月12日、昨年離脱した環太平洋連携協定(TPP)への復帰を検討するよう政権幹部に指示。背景にはアジアインフラ投資銀行(AIIB)を先導する中国をけん制する狙いもあるようだ▼国内の建設産業に目を転じると、生き残りを懸け企業や大学などが連携する動きが盛んに。熊谷組と住友林業、日建設計とソフトバンク、京都大とタダノなど共同研究の事例は枚挙にいとまがない。今月に入りコベルコ建機と広島大も研究所の立ち上げを発表した▼国や企業が単体でできることは限られる。時代の潮流を見極め、技術やノウハウを持つ相手と大胆に手を組む。変化の激しい時代を勝ち抜くすべだろう。

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