神奈川県鎌倉市にある高徳院の大仏はミャンマーの人々に大人気で、来日すると必ず訪れるそうだ。同国からの留学生を指導する大学の先生が教えてくれた▼人気の始まりは「鎌倉の大仏を拝むと再び日本を訪問できる」といううわさ。話の真偽を留学生に尋ねると「鎌倉の大仏は大津波に耐えた強い仏様だから好き」と別の理由も教えてくれた▼鎌倉は1495年に起こった「明応の地震」で高さが10メートルを超える大津波に襲われた。大仏殿は波に押し流されたものの、大仏は津波に耐えそのままの場所に座り続けたという説がある。今、同規模の地震が起こったらどうなるのか▼鎌倉市がホームページで公開している津波シミュレーション動画が話題を集めている。地震発生から8分で高さ14・5メートルの津波が襲来し、建物が次々とのみ込まれていく。衝撃的な映像をHPで公開するのは賛否があると思ったが、避難するビルや経路の確認に役立つと冷静に受け止めた市民が多かったそうだ▼減災の取り組みはインフラ整備に限らない。自らの命を自らが守る「自助」はもちろん、公助や共助を広げるにはソフト対策が大切であろう。
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