西武ホールディングス(HD)が事業会社の西武鉄道(埼玉県所沢市、若林久社長)、西武プロパティーズ(同、上野彰久社長)とともに、東京・池袋の西武鉄道旧本社ビル跡地に建設しているオフィスビルが9日に上棟した。
上棟式には設計・監理者の日建設計、施工者の大林組・西武建設JVの関係者が一堂に会し、鉄骨の梁(はり)にボルトを装着する「鋲(びょう)打の儀」や、梁を最上階まで引き上げる「吊(つ)り上げの儀」などを行い、竣工までの無事故無災害を祈った。
建物名称は「(仮称)西武鉄道池袋ビル」。建設地は池袋駅東口の南側に位置する南池袋1の21の23ほか。西武鉄道旧本社ビルの敷地とその西側の西武池袋線線路上空、線路西側の所有地を合わせた5530平方メートルの敷地だ。
建物の規模はS一部RC・SRC造地下2階地上20階建て延べ4万9661平方メートルの規模。3階以下は耐震構造、中間免震層を設け4階以上は免震構造とする。4階以上はオフィスが入り、うち5フロアを西武HDとプリンスホテル(東京都豊島区、赤坂茂好社長)、西武プロパティーズの本社として使用する。低層階はオフィスワーカー向けのカフェやコンビニエンスストアなどが入る。総事業費は約380億円。19年3月の竣工、同春の開業を目指す。
式典後、後藤社長は報道陣の取材に応じ「ビルが完成した暁には西武HDはじめ、西武グループの戦略上の拠点となる。グループの企業価値向上や周辺エリアの発展にも貢献するだろう」と改めて期待を述べた。
大林組の石井郁男所長は、線路上にビルを建設する工程が難所の一つだったと振り返り、「電車の営業が終了した夜間に線路上の2階レベルに人工地盤を築いた。一晩当たり作業時間は3時間半程度、鉄骨は一日2~3ピースしか掛けられなかったので、工期は半年程度かかったが、計画通り進められた」と語った。
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