◇長い海外勤務の経験生かす◇
インフラ輸出を推進するキーパーソン。国土交通省幹部が相手国政府の要人に直接売り込む「トップセールス」を企画する。日本企業がほとんど進出していないアフリカや中央アジアの国で相次ぎ実現。日本の建設会社が受注した成果も出始めており、トップセールスに同行するゼネコン首脳からも信頼は厚い。
入省から節目の丸20年を迎えた。キャリアの半分弱にわたる約8年間の海外勤務は、同世代の公務員の中でも「異例」と自らも認める。米ハーバード大学に留学し、フランスのパリに本部がある経済協力開発機構(OECD)やスイスのジュネーブにある国連防災戦略事務局に出向した経験も持つ。
特に衝撃を受けたのが国連への出向時代。当初は自分の考えを積極的に提案しつつ、したたかさも兼ね備えた外国人の仕事の仕方にとまどった。
だが、長年の海外での業務と生活で身に付いた前向きな姿勢で徐々に適応。15年3月に仙台市で開かれた第3回国連防災世界会議を円滑に運営できたことで「大きな自信と強さ、柔軟さを身に付けることができた」と振り返る。
公務員として折り返し地点。まな娘は手が掛からない年齢になり、私生活も含めたこれからを「自分の時間が増え、次のステージに入るのが楽しみ」と話す。後輩たちに伝えたいのは「仕事をするなら前向きに楽しく」。
(国際建設産業企画官、いしがき・かずこ)
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