関東地方整備局と横浜市は早ければ10月に、本牧ふ頭(中区)先の公有水面(約140ヘクタール)を埋め立て国内最大級の国際物流拠点を整備する事業に着手する。
両者は4月18日に横浜市へ公有水面埋立法に基づく埋め立て免許取得を申請した。手続きが順調に進めば10月にも承認される見通し。免許取得後、市は速やかに、整備局も年度内に事業着手を目指す。全体の工事期間は20年を想定。供用開始は2032年度を予定している。
コンテナ船の大型化や貨物量増加、北米・欧州航路の再編などに対応するため大水深のコンテナターミナルを整備する。横浜港の国際競争力を高める狙い。埋め立て地の地盤高は基本水準面から4・0メートル程度を予定。埋め立ては第1~4ブロックに分けて進める。外周構造は施工性や経済性、利用目的、周辺航路への影響を考慮し、ケーソン構造や鋼板セル構造を想定している。
約140ヘクタールに達する埋め立て面積のうち本牧ふ頭からつながるI期地区(約40ヘクタール)は横浜市が施行する。市の港湾計画で「大深水高規格コンテナターミナルと高度な流通加工機能を有するロジスティクス施設からなる新たな物流拠点」と位置付けている。埋め立てには市内の公共事業などで発生する土砂を使用する。
JR東海の要請を受けリニア中央新幹線首都圏区間のトンネル工事掘削土砂(約600万立方メートル)も受け入れる。
JR東海は護岸整備費を負担する。概算事業費は合計約900億円と見積もっている。
国直轄のII期地区(約100ヘクタール)はコンテナターミナル用地。水深18メートルの耐震岸壁を整備し、延長500メートルのバースが二つつながる国内最大級のコンテナターミナルにする。荷さばき地や護岸(防波)などを整備する。総事業費は2295億円と試算している。
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