100歳だった祖母が先日亡くなり、遺品を整理した。特に時間がかかったのは写真。懐かしい1枚が出てくるとついつい見入ってしまった▼祖母が生まれたのは大正時代。写真館で撮影した当時の家族写真などが残されていた。結婚式の写真が見つかってきれいなものだと感心していたら、親族から「修正したはず」と予想外の一言が。当時はフィルムに手を入れることが当たり前だったそうだ▼昭和に入り戦争が始まると服装も変わっていく。終戦直後の写真は無い。その後の経済成長で日本が再び豊かになるにつれ、写真の中の祖母もだんだんときれいな装いになっていった▼時代の変わり目だった大型連休中、整理した写真を電子データ化した。偶然なのだが大正から昭和、そして平成と歴史を追うような作業に思えた。「こんなに長生きするとは思っていなかった」。祖母は生前、何度もそう言っていた。「平和が一番よ」とも▼祖母との最後の写真は今年の正月に撮影した。ワインを飲み干し、気持ち良さそうに昼寝をしていた姿を思い出す。平凡で何げない1日-。令和の時代もそうした日々が続くことを願ってやまない。
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