◇妊婦も現場で活躍できる◇
高速道路の橋梁下部工事で現場代理人を務めていた昨年6月、体調不良が気になり病院へ行った。妊娠7週と告げられ、突然のことで戸惑いはあったが産みたい気持ち、そして現場で働き続けたいという意思を会社に伝えた。
初のケースながら、会社は本人の意思を尊重。妊婦でも現場管理ができる工夫をし安全確保に全面協力すると言ってくれた。
定期検診の時は職場を離れ、安全帯が装着できないので足場に入れなくなる。会社は現場代理人の補助業務を担う職員を追加で配置。足場の最上階にウェブカメラを取り付け、現場事務所からクレーン作業の進展や安全管理ができるようにした。敷鉄板でつまずいて転倒しないよう、段差解消のシートも付けた。
昨年12月、工事完了検査の翌日から産休に入り年明けに男の子を出産した。女性技術者が増えていく中、「妊娠、出産が女性の活躍を阻まないようにする理解と支援が必要だ」と強く感じる。「本社と支店、現場、作業員の皆さんのおかげで続けられた」と感謝も忘れない。
活動が評価され、作業所が日本建設業連合会の第4回「けんせつ小町活躍推進表彰」の特別賞を受けた。「息子が大きくなったらお腹の中にいた時、ぎりぎりまで現場で働いていたと教えてあげたい」と笑顔で話す。育休が明け、仕事に戻ったらもちろん現場に復帰するつもりだ。
(おち・ひとみ)
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