国土交通省が4月26日に発表した2018年度新設住宅着工戸数は、前年度比0・7%増の95万2936戸と2年ぶりに増えた。マンションなど分譲住宅の伸びが7・5%増の26万7175戸と大きく、リーマンショック前の08年度(27万2607戸)に次ぐ高水準だった。
分譲住宅のうちマンションの伸びは特に高く、10・5%増の11万9683戸と3年ぶりに増加。単月ベースで見ても、前年同月比で18年8月から19年3月まで8カ月連続で増加している。一方、分譲の一戸建て住宅も5・1%増の14万4905戸と4年連続で増えた。
マンションの18年度着工戸数を三大都市圏(首都、中部、近畿)別に見ると、首都圏が6・2%増の6万1164戸、中部圏が39・8%増の9691戸、近畿圏が33・2%増の2万7804戸と軒並み増加。中でも首都圏は堅調に推移しており、単月ベースで18年7月から9カ月連続の増加となっている。三大都市圏以外の地域は8・1%減の2万1024戸だった。
国交省によると、18年度にマンション着工が活況だった要因の一つに住宅ローン金利の低さがある。10月に予定される消費税率の引き上げに備える駆け込み購入の影響は、販売業者に聞き取り調査した結果なども踏まえ、ほとんど見られないという。
マンションを除く18年度住宅着工戸数の内訳は、注文住宅などの「持ち家」が2・0%増の28万7710戸、賃貸アパートなどの「貸家」が4・9%減の39万0093戸、持ち家は2年ぶりに増え、貸家は2年連続で減った。貸家の減少要因には投資用アパートを巡る不正投資が相次いだため、金融機関が貸し出しを渋った影響がある。
一方、民間非居住建築物の18年度着工床面積は2・7%減の4604万平方メートルと3年ぶりに減った。主な用途別は、▽製造業用1102万平方メートル(前年度比13・6%増)▽情報通信業用45万平方メートル(26・4%増)▽卸売業・小売業用664万平方メートル(4・0%減)▽不動産業用204万平方メートル(23・8%減)▽宿泊業・飲食サービス業用354万平方メートル(1・5%減)▽医療・福祉用484万平方メートル(12・9%減)。
主な使途別は、▽事務所532万平方メートル(3・9%減)▽店舗518万平方メートル(5・7%減)▽工場989万平方メートル(9・0%増)▽倉庫863万平方メートル(11・7%減)-となっている。
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