堺市にある仁徳天皇陵古墳も百舌鳥・古市古墳群に含まれる(提供:堺市) |
同古墳群は、堺市にある日本最大の古墳・仁徳天皇陵古墳(大仙古墳)を含む百舌鳥古墳群と、羽曳野市と藤井寺市にある古市古墳群で構成。4世紀後半~5世紀後半に造られ、49基が現存している。
イコモスは「49基の構成資産は、傑出した古墳時代の埋葬の伝統と社会政治的構造を証明しており、顕著な普遍的価値を証明している」と評価。
一方で、構成資産に与える懸念材料として、周辺の都市開発を挙げ、都市開発計画に伴う遺産への影響評価の仕組みを整えるよう勧告した。遺産影響評価の対象事業として、百舌鳥古墳群ガイダンス施設(堺区大仙町)のほか、旧東京第一ホテル堺跡地(堺区南向陽町)に計画しているシマノ・サイクル開発センターや大仙公園(堺区百舌鳥夕雲町)、南海電気鉄道高野線連続立体交差事業(堺区、浅香山駅~堺東駅付近)などを提示している。
ガイダンス施設は旧大阪女子大学跡地(約1・5ヘクタール)に計画。延べ床面積は約4000平方メートルを予定している。建築費は20億円程度。2019年度当初予算に工事費を計上している。
柴山昌彦文部科学相は「わが国の貴重な文化遺産が(登録勧告という)評価を受けたことを大変喜ばしく思うとともに、地元関係者の努力に敬意を表す」との談話を発表した。
堺市文化観光局世界文化遺産推進室長の勝真雅之氏は「すべての遺産が登録されるよう、引き続き地元4者(大阪府、堺市、羽曳野市、藤井寺市)が一丸となり、国と共に全力で取り組む」とのコメントを出した。
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