2019年3月期の決算が相次ぎ発表されている。トヨタ自動車の連結決算(米国会計基準)はグループ全体の販売台数が過去最高を更新、日本企業として初めて売上高が30兆円を超えた▼「こつこつと積み上げてきた(創業から)80年にわたる結果で、感謝したい」。会見で豊田章男社長は大台突破をそう評価した。その上で「『トヨタは大丈夫』という気持ちが一番危険だ」と気を引き締めるのも忘れなかった。風土改革の必要性を強調し、変革の備えに余念はないようだ▼今週の前半に上場ゼネコンの決算開示がピークを迎える。決算短信にたびたび登場するのが「工事採算の改善」。7文字の言葉には生産性の向上や資材調達の工夫など、枚挙にいとまのない現場の改善努力が凝縮されている▼決算の取材では担当者の説明や資料の数値から、企業活動の成果や経営課題を掘り出していくことになる。言葉の端々や説明文の行間に思いを巡らせば、ヒントが得られもする▼利益をどう確保し、業績の先行指標となる受注がどう推移したか。数字のチェックにいそしむ同僚をねぎらいつつ、令和最初の決算開示に注目したい。
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