三井不動産が東京都の新宿、渋谷、港の3区にまたがる神宮外苑地区で関係地権者と計画する「(仮称)神宮外苑地区市街地再開発事業」の環境影響評価(アセス)手続きが始まった。
総延べ約53万平方メートル規模の施設群を整備する計画。事業区域内にあるスポーツ施設がもたらしたレガシー(遺産)を引き継ぐ、新たな拠点づくりを目指す。
事業の計画地は港区北青山1ほか(区域面積19・8ヘクタール)。区域北側に神宮第二球場、明治神宮野球場が中央にある。南側に秩父宮ラグビー場が近接。南端には伊藤忠商事東京本社が立っている。
三井不が作成した環境アセス調査計画書によると、建設する施設は▽ラグビー場棟(RC・SRC造地下1階地上6階建て延べ3万1000平方メートル)▽複合棟A(S・SRC造地下2階地上40階塔屋1階建て延べ13万2000平方メートル)▽同B(同地上16階塔屋1階建て延べ2万6000平方メートル)▽ホテル棟(同7階建て延べ1万3000平方メートル)▽野球場棟および球場併設ホテル棟(RC・SRC造地下1階地上15階建て延べ11万6000平方メートル)▽事務所棟(S・SRC造地下4階地上38階建て延べ20万9000平方メートル)▽並木東棟(同2階建て延べ4000平方メートル)-の7棟。
複合棟Aにオフィスや商業、同Bに宿泊施設やスポーツ関連施設を配置する。並木東棟の用途は商業など。開発事業全体で1160台分の駐車場を整備する。
既存のスポーツ施設の解体と新築を繰り返し、段階的に施設再編を進める。第二球場を解体した跡地にラグビー場棟を建設する。続いて秩父宮ラグビー場を解体。跡地に野球場棟などを建てる。
明治神宮野球場の跡地は広場となる。スポーツ施設以外の建設も並行して行う。開発には法定の市街地再開発事業の実施を想定。工事期間は2021~30年度を見込む。調査計画書作成業務は日建設計が担当した。
開発事業は事業区域の関係権利者である三井不、明治神宮、日本スポーツ振興センター、伊藤忠商事の4者が連携して取り組む。
4者は2月に基本協定を締結。事業区域が含まれる約40・6ヘクタールを対象に、2020年東京五輪・パラリンピック後を見据えた街づくりの目標などを都が示した「まちづくり指針」の実現に向け、施設再編の事業計画などを検討するとしていた。
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