2020年6月30日火曜日

【若者研究・人材確保への対応】ブロガー兼ライター・トイアンナさんに聞く「デジタル世代の就活は?」

 担い手確保は多くの企業にとって重要な経営課題の一つ。これまで業界間、企業間で激しい人材獲得競争が繰り広げられてきた。建設関係各社も採用活動に知恵を絞っているが、苦戦も目立つ。  次代を担う若者や女性にうまくアプローチするには、彼らが置かれた現状への理解が欠かせないだろう。就職活動時期を迎えた学生向けの著書などがあるブロガー兼ライターのトイアンナさんに就活戦線の動向を聞き、建設業界が取るべき今後の採用戦略を探った。  □学生が求めるのはー企業の成長?ワークライフ・バランス?□  バブル期並みの売り手市場がここ5年ほど続いた。就活市場が学生優位となったことで、若手と中堅以上の世代間に文化差が生まれている。最も大きな変化はハラスメントの定義がかなり広がったことだ。ベテラン社員が飲み会の場で、男性社員に恋人の有無を尋ねる光景は一昔前ならよく見られた。だが現代ではセクシュアルハラスメントと取られかねない。ハラスメントには訴訟のリスクもある。知らなかったでは済まされなくなっている。 ...

【回転窓】秘密も今は昔

自らの身分を隠し、秘密裏に敵や競争相手の機密情報を入手する。映画でおなじみのスパイもどうやら人材難にあえいでいるようだ▼時事通信によると、米中央情報局(CIA)が人材獲得の幅を広げるため、動画配信サイトで求人広告を公開したそうだ。映画さながらの映像が流れた後、「CIAでキャリアをスタートさせれば、国のために想像以上のことができる」と呼び掛ける▼スパイは正体を明かさず、隠密行動のはずなのに…。こうした考え方は世界的にヒットしたあの映画やこの映画に影響されすぎているのか。勧誘といった従来の方法だけに頼っていても優秀な人材は確保できないのだろう▼企業や行政機関にとって、組織の将来を担う人材をどう確保するかは最重要課題の一つ。旧来型の方法にこだわっていても良い成果が得られない。結果的にそうなってしまったのかもしれないが、採用面接にテレビ会議システムを使うことが急速に広まったのは好例ともいえる▼気になるCIAの求人広告。さすがに「何が起こっても当局は一切関知しない」という注意事項はないだろ...

【累計出荷台数5000万台突破!】TOTOのウォシュレット、発売40周年に

 TOTOの温水洗浄便座「ウォシュレット」が6月に発売40周年を迎えた。累計出荷台数が2019年に5000万台を突破。国内はもちろん海外でも温水洗浄便座が利用できる環境は広がりつつある。今後は海外での販売活動を強化し、2018年度に58万台だった海外販売を22年度に200万台まで拡大する(写真は1980年発売の初代ウォシュレット)。  内閣府の調査によると、ウォシュレットを含む国内の温水洗浄便座の一般世帯普及率は3月時点で80・2%に達している。公共施設やオフィスでも一般的になりつつある。  TOTOは海外での普及を目指し、五つ星ホテルなど高級物件をターゲットに提案を強化している。英国ではロンドン警視庁の初代本部庁舎を改装した「グレート・スコットランド・ヤードホテル」の全室に導入。米国はハワイやサンフランシスコのラグジュアリーホテルに採用された。  最近ではトイレの使用前に便器の内側に水を拭きかけ、汚れを付きにくくする機能や、使用前後にウォシュレットのノズルを自動で洗浄する機能...

【記者手帖】本来なら…

6月の札幌は気温が上昇して晴れの日も多くなり、とても過ごしやすい。よさこいソーラン祭りや北海道神宮例大祭などが催され、観光には最適のシーズンだ◆本来なら大通公園や札幌駅周辺は観光客でにぎわっている。だが今年は新型コロナウイルスの影響でイベントは軒並み中止。外国人旅行客の姿を見ることはほとんどない◆例年は雪解けが進む3月下旬から、天気の良い日は大通公園沿いにある会社まで、自宅から50分ほどかけて自転車通勤している。今年は当初予定していた東京五輪のマラソン・競歩のため雪解け直後から舗装工事が続いていた。残念ながら五輪は延期になったが、6月中旬には工事が完了しきれいな舗装道路になった。昨年11月に札幌開催が決まった時には、舗装工事ができないため準備不足が不安視された。けれども仮に予定通り開催されていても、工事はしっかり間に合っていただろう◆「本来なら、短期間で見事に工事を完了させた道内建設業の底力をきっちりアピールできていたのに…」。残念な気持ちは確かにある。打ち替えられた舗装の快適さ...

【よみがえる聖地、トキワ荘再び】豊島区立トキワ荘マンガミュージアム、7月7日に開館

 手塚治虫さんや石ノ森章太郎さんら昭和を代表する漫画家が若手時代に住んでいたアパート「トキワ荘」を再現した東京・豊島区の「区立トキワ荘マンガミュージアム」が7月7日にオープンする。  老朽化で取り壊されたトキワ荘の跡地近くに建設されたミュージアムは、内装や外観を忠実に復元。手塚さんらトキワ荘に住んでいた漫画家の作品が読めるほか、再現した部屋や炊事場などが見学できる。  開館時間は午前10時~午後6時(入館無料)。月曜日は休館。新型コロナウイルスの感染防止のため当面は予約入館になる。 マンガラウンジでは数多くの作品が読める 完成したミュージアムの外観 ミュージアムの内...

【プチ芸能人と割り切って上手に伸ばそう】若者研究家・原田曜平氏に聞く「若者研究のススメ」

 ◇下から目線と未来志向がキーワード◇  イマドキの若者の気持ちはよく分からない-。世代を超えて言い続けられているフレーズだ。社会の変化のスピードが増している中で、そうした思いをより強くしている人も多いだろう。ITツールの浸透などが、これまでとは異なる変化を若者に与えている要素もある。社会に出てきた若者世代とどう付き合っていくべきなのか。若者研究家でマーケティングアナリストの原田曜平氏にアドバイスしてもらった。  □「Z世代」は新種の生き物□  大卒者で社会人2年目くらいの22、23歳から下の世代は「ジェネレーションZ(Z世代)」や「脱ゆとり世代」と呼ばれている。Z世代は初めて手にした携帯電話がスマートフォンで、高校1年生のころにはツイッターやインスタグラムなど複数のSNS(インターネット交流サイト)を使いこなしていた。「SNS・スマホネーティブ」とも言えよう。  携帯電話が広まる前は、職場や以前からの友人が交流の中心だったため、こうした人間関係を何とかうまくやっていこうと...

2020年6月29日月曜日

【回転窓】足元の信頼関係

近所にある職人向けのプロショップが棚卸し作業を行っていた。休業で閉鎖された駐車場の前に止まった自動車が残念そうに引き返していった▼高価な電動工具からボルトまで在庫を数えてみると当然ながら人気のある商品や売れ筋がよく分かると、取材で知り合った店長が教えてくれた。ファン付き作業服とセットで速乾性のある長袖下着が売れている。人気ブランドのワーキングシューズは在庫が想像以上に少ない。なかなか興味を引かれる話だ▼ワーキングシューズはトップアスリートをサポートするスポーツメーカーも商品を出している。限定品や希少なカラーは特に人気で品薄のモデルが多くある▼赤と決めている班長に合わせて若手が同じ色を購入したり、同じモデルの色違いで足元をそろえるような班があったりする。横並びを好まないのも職人らしいが作業の効率や安全を左右しかねない現場ではチームワークも大切と、シューズ選びで学べた気がする▼人気モデルを仕入れるには代理店との信頼関係が何よりも大事とか。元請と下請、職長と職人と同じように、やはり現場...

【延べ14万㎡、施工は竹中工務店・西松建設JV】横浜市、新庁舎が全面オープン

 横浜市の新しい市庁舎が29日に全面オープンした。4月に移転作業を開始。商業施設なども含めすべての準備が整った。同日に林文子市長らが出席して開庁式を開く。  所在地は中区本町6の50の10。みなとみらい線馬車道駅と直結し、JR桜木町駅からも徒歩3分の場所。規模はS・SRC・RC造地下2階地上32階塔屋2階建て延べ約14万m2。中間層免震構造と制震構造を採用した。  槇文彦氏がデザイン監修を手掛けた。設計・監理は竹中工務店と槇総合計画事務所。NTTファシリティーズが監理を担当した。施工は竹中工務店・西松建設JV。CM(コンストラクションマネジメント)業務は山下PMC・山下設計JVが担った。...

【凜】国土交通省北海道局・佃千加さん

◇楽しんで仕事する姿を見せたい◇  高校時代に映画「もののけ姫」を見て、開発を望む者と森を守りたい者、どちらも間違っていないのに対立してしまう難しさを感じた。「環境と開発の両立を考えられる人になりたい」。強い思いを胸に秘め大学で土木系学科を学んだ。国土交通省に入省したのは2003年。振り返ると産休・育休を経た後の仕事は思い入れが強い。  航空局では滑走路増設を含めた成田空港の機能強化を担当した。空港の将来像について空港会社と協議し、千葉県成田市など空港周辺の自治体と勉強会も開いた。プレッシャーは大きかったが、その分やりがいも実感できた。  15年から2年間身を置いた復興庁は、府省庁や民間企業からさまざまな人が集まっていた。出身や文化が違っても「“復興”という同じ方向に突き進む」組織での仕事は充実していた。JR常磐線の復旧に向け関係部局や地元自治体、JR東日本との調整に奔走した。骨の折れる仕事だったが「復興のシンボル」と言われた全線開通の時期の見通しが立った時、何物にも代え難...

【やっぱり!マイユニホーム!!】大成建設「スリムなスタイルに一新」

 約30年ぶりに作業服とヘルメットを全面リニューアルした。コンセプトは「夏は涼しく 冬は暖かく」。空調服も追加するなど仕事が快適にできるよう工夫を凝らした。デザインはこれまでのオーバーシルエットからスリムなスタイルに生まれ変わった。現場の社員からは「生地がさらりとしていて着心地がいい」と好評だ。  リニューアルに当たっては、作業時の動きやすさや着用時の快適さを重視。最新素材を採用して通気性や伸縮性、吸汗性を高めた。フルハーネス型安全帯を着用しても使えるようポケットの位置を見直すなど、次世代の建設現場に対応して機能性も向上した。  スラックスは収納ポケットが充実。物を入れてもかさばらないなど使い勝手の良さをとことん追求した。  デザインはグレーを基調にしながら、コーポレートカラーのブルー、グリーン、オレンジをブルゾンやシャツにバランス良く配色。ウエスト部分は約9cm伸びる伸縮性の高い生地を採用した。15日までに新ユニホームへの切り替えを完了し、「しゃがんでもゴムが伸びてきつくない...

【駆け出しのころ】戸田建設常務執行役員建築営業統轄部長・深代尚夫氏

 ◇自ら動き輪を広げる◇  祖父の代から木造建築の請負業を営む家の長男として、地元の工業高校の建築科を卒業して親の跡を継ぎ、大工になるストーリーがなんとなく決まっていました。高校時代に見た映画「超高層のあけぼの」が心に残り、超高層ビルに携わってみたいという気持ちが膨らみ、大学に進学させてもらいました。  就職活動の時期を迎えゼネコンで働きたいと思うようになっていましたが、世の中は第2次オイルショックのさなか。就職難の中、運と縁があって戸田建設への入社が決まり、入社前に届いた手紙で九州支店への配属を知ります。最初の1年はほぼ研修で技術者としての基礎を身に付けるため、積算や施工図の作成などに取り組みました。  初めての現場勤務は竣工前の応援として3カ月ほど配属された大手メーカーの工場でした。朝から晩まで休む間もなく、若手ながら体力的にきつかったです。近くの農家での合宿のような暮らし。作業所長と同部屋でしたが、学者肌でアカデミックな雰囲気を持つ所長には、多くのことを理論的に教えていた...

2020年6月26日金曜日

【回転窓】eスポーツの可能性

国内市場が10年連続で増加し、過去最高の規模に-。好況に沸くのはゲーム業界だ。ゲーム総合情報メディア「ファミ通」のゲーム白書によると、2019年の国内ゲーム市場は約1・7兆円の規模、右肩上がりで伸びている▼同白書は娯楽に費やした時間の変化に関する調査も掲載。3月の娯楽時間で増加した項目のトップは「家庭用ゲーム機によるゲーム」だった。新型コロナウイルスの流行で外出自粛が求められ、ゲーム需要を押し上げたようだ▼コンピューターゲームというと遊びのイメージだが、「eスポーツ」となると様相が違ってくる。昨年の茨城国体では初めて都道府県対抗のeスポーツ大会が行われた。茨城県はこうした経験を基に、地域づくりなどを見据えたプロジェクトを開始した▼神戸市内では60歳以上に限定した会員制のeスポーツ施設が7月にオープンする。大阪市内には今夏、eスポーツに特化したホテルが開業する。ビジネスの領域は確実に広がっているようだ▼高性能なパソコンなど設備は必要だが、身体能力や場所の制約を超えて楽しめるのは大き...

【マウスシールドや冷感マスクで熱中症防止】建設各社、夏の新型コロナ対策急ぐ

建設各社が夏に向けた新型コロナウイルスの感染拡大防止策を急いでいる。  建設現場では新型コロナ対策として作業員はマスクを着用して作業に当たるが、今後気温が上昇するにつれてマスクを着用したままでの作業は熱中症の発症リスクを高める。  そこで建設各社は口元を直接覆わないマウスシールドなどをマスクの代替として導入。熱中症対策と新型コロナ対策の両立を図る考えだ。 続きはH...

【新型コロナの影響大】上場企業の6割、21年3月期の業績「未定」

東京商工リサーチの調査によると、上場企業の多くが新型コロナウイルスの影響で決算発表時期を遅らせたり、業績予想を未定にしたりしていることが分かった。  24日時点で上場企業の約6割に当たる1420社が2021年3月期の業績予想を「未定」とし開示を見送っている。同社は「新型コロナで先行きが不透明になっているため」と見ている。  上場企業の約2割に当たる898社は業績を下方修正した。うち248社は赤字だった。コロナ禍で決算作業や監査業務が遅延しているなどして、20年3月期決算が公表できていない企業は30社だった。  業績予想を開示した956社のうち、最も多かったのは「減収減益」で404社と約4割を占めた。収益環境の悪化を予想している企業が多い。新型コロナによる業績ダウンを受けて役員報酬の減額や自主返納を表明した企業は111社だっ...

2020年6月25日木曜日

【回転窓】移動制限の今昔

河川は地域を分ける境界の役割を持っている。昔の人たちは橋や渡し船がなければ、川を挟んだ対岸を行き来するのにも苦労していた。水かさが増す出水期は危険が増し、特に移動が制限される▼防衛などの観点から敵が容易に川を越えて侵入しないよう、橋をわざと架けないことも。江戸幕府が諸大名の謀反を警戒して設けた街道沿いの関所と合わせ、橋のない川には、人や物の流れを戦略的に阻害させる役割を持たせていた▼現代でも千葉県と隣接する都県のように境に川が流れている自治体は多い。昔と違う点は交通インフラ網が発達したこと。川の上を道路や鉄道などが走り、移動に不自由さを感じることは少ないだろう▼新型コロナウイルス対策で国民に協力を求めていた「都道府県をまたいだ移動の自粛」。強制力はないものの、多くの人が移動を控えた。今月19日に解除され、出張や旅行で遠出する人は増えつつあるという▼自治体からの休業要請の解除を受け、感染対策の徹底を図りながら、営業を再開する施設も増えてきた。移動できる自由を満喫したいだろうが、ウイ...

【思川開発でロックフィルダム】南摩ダム建設(栃木県鹿沼市)、近く本体工事発注

 ◇堤体型式はCFRD◇  水資源機構は、栃木県西部で進めている思川開発事業で、鹿沼市に計画する南摩ダム本体の建設工事の入札契約手続きを近く開始する。堤体型式はコンクリート表面遮水壁型ロックフィルダム(CFRD)。総貯水容量5100万立方メートル、高さ86・5メートル、ダム体積約240万立方メートル。発注準備が整い、2020年度第1四半期(4~6月)の公告予定に追加した。発注規模は50億円以上を見込む。総合評価方式の一般競争入札を予定している。  公告を予定するのは「南摩ダム本体建設工事」。工事種別は土木一式、工事場所は上南摩町。工事概要はCFRD一式。工期は約52カ月。政府調達協定の対象となる。  思川開発事業は、栃木県の中央を南東に流れる思川の支川の南摩川にダムを整備するとともに、支川の黒川、大芦川とダムを導水路でつなぐ。洪水調節と効率的な水資源利用を促すのが狙い。付け替え道路や導水路、送水路などの工事が進行している。 4月時点の建設予定地 ダム本体の関連では、上流...

【お客さま、居心地はどうですか?】三菱地所レジデンスが猫専用タワマン!?

 三菱地所レジデンスが猫専用のタワーマンションを用意-。人間だけでなく猫にも豊かな暮らしを提供したいという思いを胸に、同社の猫好きの社員らが情熱を注いだ。19日に製作の過程などを記録した動画を公開。完成したタワマンを内覧した猫は満足そうにくつろいでいた。  猫タワマンは4階建て。本物のマンションさながらに、居心地が良いリビングのような空間「リラックススペース」やバルコニーをイメージし植栽を施した「キャットグラスガーデン」などを設けた。爪を研げる麻製の「スクラッチウォール」、プライバシーを確保でき消臭機能も付いた「ひろびろトイレ」といった猫ならではの機能も完備した。  製作に携わった社員からは「デベロッパーの仕事を少しでも知ってもらいたい」「ものづくりへのこだわりを感じてもらいたい」といった声が聞かれた。動画は動画投稿サイト・ユーチューブの同社公式チャンネルで視聴できる。動画の続編や猫タワマンの販売は未定という。...

2020年6月24日水曜日

【回転窓】元気を届け続ける

新型コロナウイルスの流行もあり、3月以降は何かとばたつくことが多かった。仕事で言えば本来であれば忙しいはずの年度末、新しい期がスタートする年度初めもいつの間にか過ぎ去っていった▼今週は3月期決算企業の株主総会が26日にピークを迎える。新型コロナの感染を警戒し、来場自粛を呼び掛ける企業は多い。ネット配信を取り入れるところもかなりの数と聞く▼コロナ禍の株主総会で少し前、話題になったのはトヨタの豊田章男社長だ。業績見通しに対する株主からの厳しい質問に、豊田社長は「地道な努力を続けてきた世界37万人の従業員ら全員で作り上げた見通し」と答え目を潤ませた▼日常を取り戻しつつあるとはいえ、コロナ禍は社会・経済活動に大きなダメージを与えた。世界的に見れば感染拡大に歯止めは掛かっておらず、収束後の姿を描けないところも多い。国内でも観光や飲食、小売りなどこれまで順調に推移し成長が期待されていた産業は苦境に立たされている▼建設産業も決して無関係ではないだろう。ただ苦しく厳しい場面に直面しても歩みは止め...

【鉄工所がスポーツ施設に!?】ヤマネHD(山口県長門市)、鉄工所をスポーツ施設にコンバージョン

 超高層ビル向けの建築鉄骨を製作するヤマネホールディングス(山口県長門市、山根正寛社長)は、長門市にある自社の鉄工所をスポーツ施設にコンバージョンする。  コンバージョン後のスポーツ複合施設「SWEET AS」には飲食店、バスケットボールを中心とした多目的スポーツコート、イベントスペースなどを設ける予定。8月の竣工を目指している。  リノベーション・プラットフォーム事業を全国で展開するリノベーション事業者・リノべる(東京都渋谷区、山下智弘代表取締役)と、M.DESIGN ASSOCIATES一級建築士事務所(山口県長門市、山本道善代表)がリノベーションの設計を担当した。完成後は女子7人制ラグビーの地元チーム「ながとブルーエンジェルス」が運営する。  所在地は仙崎313の1。建物はS造平屋3085m2の規模。1975年にヤマネホールディングスの鉄工所として建築され、ここ数年は倉庫として使ってい...

【復興の架け橋、接続完了】気仙沼湾横断橋、年内完成へ工事進む

気仙沼湾横断橋(仮称)は完成すれば東北最長の斜張橋になる 2014年に着工した「気仙沼湾横断橋(仮称)」の橋桁がつながり、21日に宮城県気仙沼市で接続を祝う式典が開かれた。  全長1344メートル、海上部が680メートルある橋は年度内の完成を目指す三陸沿岸道路(三陸道)の一部で、東北最長の斜張橋。東日本大震災で甚大な被害を受けた気仙沼市を含め、地元にとって「復興の架け橋」ともいえる存在だ。 総事業費は約450億円。海上部の上部工はJFEエンジニアリング・IHIインフラシステム・日本ファブテックJV(松崎北沢側)と、エム・エムブリッジ・宮地エンジニアリング・川田工業JV(小々汐側)が担当。舗装や標識設置などを経て12月に工事が完了する予定...

2020年6月22日月曜日

【暮らしのそばに、じつはドボク。】清水建設の土木写真紹介サイトがBtoB広告賞で金賞

 「暮らしのそばに、じつはドボク。」をテーマにした清水建設の特設ウェブサイトが、第41回「2020日本BtoB広告賞」(主催・日本BtoB広告協会)の「ウェブサイト(スペシャルサイト)の部」で金賞を受賞した。特設サイトでは、女性カメラサークルが撮影したダムの写真や、ダムを撮影したメンバーの感想などを紹介。コンテンツの構成やビジュアルの迫力などが高く評価された。  金賞を受賞したのは「ダムパシャ 再び(八ツ場ダム篇 その2)」。同社が施工していた八ツ場ダム(群馬県吾妻郡)を、日本最大の女性写真サークル「カメラガールズ」によるダムの写真を中心に紹介した。写真以外にも八ツ場ダム工事の特徴、ダムの近くのおすすめスポット、土木やダムに対するカメラガールズの感想などさまざまな視点から、八ツ場ダムの魅力を伝えた。  受賞に当たっては「事業のみならず、企業としての仕事の意義をユーザー目線に立った構成でしっかりと伝えている」などと評価を受けた。日本BtoB広告賞はBtoB広告の普及や振興を目的とし...

【2025年3月完成めざす】新陸上競技場整備(宮崎県都城市)、主競技場は4階建て延べ2万㎡規模

 宮崎県は、2026年に開催予定の国民スポーツ大会に向け、都城市と共同で整備する新たな陸上競技場などの基本設計概要を公表した。  主競技場はメインスタンドを大屋根で覆い、RC造(屋根部分S造)4階建て延べ2万0620平方メートル。補助競技場や多目的広場なども整備する。施設全体の概算工事費は約214億円。設計は佐藤総合計画・益田設計事務所JVが担当。  整備場所は同市山之口町の山之口運動公園(敷地面積約24ヘクタール)。県道422号線の東側に当たる現在の山之口運動公園がある場所をスポーツエリアとし、中央に広場を設け、これを中心に北側に主競技場や投てき練習場、南側に補助競技場や多目的広場などを配置する。県道西側の現在の市営住宅がある場所は駐車場エリアとし、1200台程度の駐車場や広場を設ける。  主競技場は県内最大規模の陸上競技場となり、サッカーなどのプロスポーツ大会にも対応できる施設とする。第1種公認陸上競技場で走路は400メートル×9レーン。観客席は芝生席を含め1万5000席程...

【凜】大成建設技術センター・鈴木三馨さん

◇不可能を可能にするやりがい◇  研究職をメインに経験を積み、今は建設用3Dプリンターを活用した技術開発を担当する。人が乗っても大丈夫なPC橋を3Dプリンターで試作。これまでは難しかった軽量で高強度な構造体が出来上がり、「不可能を可能にする仕事にやりがいを感じた」。  大学と大学院で土木工学を専攻。ゼネコンへの就職を考えたのは、在学中の現場見学で「ダイナミックに土木構造物を造り上げる様子が魅力的だった」のがきっかけだった。インターンシップ(就業体験)で現在の職場を訪れ、社員が自由に質問し合って研究する姿に共感した。  社会人になって16年目、後輩を指導する機会も増えた。技術者、研究者として経験を積み、キャリアアップを図るには「目的を明確に伝え、方法を自分で考えてもらう」ことが大切だと考えている。研究開発は関係者の協力と連携が不可欠。コミュニケーションがとりやすい環境づくりに腐心する。自分が心を引かれた職場の雰囲気をこれからも残したい。胸に秘めた正直な思いだ。  座右の銘は...

【中堅世代】それぞれの建設業・258

公共工事の必要性をしっかりと説明する。公務員の大切な仕事だ ◇次代への技術継承に危機感◇  「携わった工事が完成した時の喜びこそ土木屋としての醍醐味(だいごみ)。若い技術者にも味わってほしい」。地方公務員としてインフラ整備に携わる小菅貴光さん(仮名)は、自らの経験を後輩たちに伝えていく大切さを感じる場面が多くなったと話す。次代を担う人材の確保や育成は官民を問わず重要な課題。行政機関だから将来も安泰という考え方は通用しなくなっている。  特別なきっかけがあって土木の道に進んだわけではないが学生時代、ものづくりに関わる仕事に就きたいと考えていた。大学で土木を専攻し、交通工学の基礎研究を行っていた。1995年に発生した阪神淡路大震災。高速道路が横倒しになった映像に大きな衝撃を受けた。土木技術者として働くならば災害に強い街を造りたいと思うようになり、次第に「街のグランドデザインが描きたい」という思いが強くなった。地方公務員になることを決めた。  働き始めてからは出先事務所と本庁の...

【やっぱり!マイユニホーム!!】住友電設「360度ストレスなし!!」

 創立70周年に合わせて30年ぶりに刷新したユニホームの着用開始は2019年1月。コーポレートカラーの藤紫色を採用し、デザインには社員の声も反映した。ストレッチ性や通気性に優れた素材を採用。動きやすさや暑熱対策などに配慮している。  着心地の良さを追求した一着。袖部は「新立体裁断構造」を取り入れ、360度ストレスのないカットで快適な腕の動きをサポート。腕を上げた時、背中や肩、脇に違和感がないようにしている。パンツは、腰部の圧迫や突っ張りを解消する「イージーフレックス仕様」で作業負担を軽減。要望が多かった収納ポケットの数を増やし、上着とズボンに反射板を取り付けて夜間作業での視認性を高めて安全確保につなげている。  「ポケットの数が多く、使い勝手が良くなった」「他社にない色彩で目立つため住友電設としての自覚が高まった」と社員の評判も上々だ。  作業服のリニューアルに併せて防寒服やヘルメットも一新。ベストやポロシャツ、収納リュック、フルハーネス対応の空調服も展開している。女性専用サイ...

【駆け出しのころ】松井建設執行役員名古屋支店長・佐野祥治氏

 ◇失敗から学び成長を◇  地元で工務店を営んでいた父親の姿を見て育ち、将来は設計士になりたいと思っていました。不景気で家業も厳しく、大学は夜学で通い、昼間は製作金物の図面を描く仕事をしながら建築を学びました。  就職活動もオイルショックによる景気低迷が長引き、志望していた設計事務所の採用は厳しい状況でした。昼間勤めていた会社から取引先の建設会社を紹介してもらい、縁あって松井建設に入社します。  新人時代の研修は現場が基本。杭打ちの測量作業でトランシットをのぞく日々が続きました。入社3年目に配属された研究施設の実験棟建築工事では鉄筋担当を任されます。鉄筋の定着のことなど全く知らず、専門書を購入して勉強しながらの施工管理は大変苦労しました。  正直なところ、新人のころは毎朝、現場に行くのが憂うつでした。ネクタイを締めて図面を抱えながら現場で指示を出す-。学生時代に勝手に想像していたゼネコンの技術者のイメージと、作業員らと一緒に汗を流しながら働く、実際の職務にギャップを感じてい...

2020年6月17日水曜日

【回転窓】現場のデジタルシフト

朝、子供たちがにぎやかに通学している姿を見かけるようになった。企業も感染症対策をしながら活動を本格化している。徐々にではあるが日常が戻りつつある▼ただ元に戻らないものもある。その一つがデジタルシフト。在宅勤務でリモートワークが進み、「Zoom」や「Teams」などでのオンライン会議を初体験したという人も多かろう▼電話での打ち合わせとは違い、パソコンで相手の顔を見ながら話し合う。直接会って会話をしなければ意思疎通はできないと決め込んでいたが、実際にやってみると意外に違和感がない。手軽で便利なのも魅力の一つだ▼建設現場はi-Constructionなど施工面でのICT(情報化技術)化が進んでいた。いまや朝礼や工程会議といった現場の打ち合わせにもデジタル化の波が押し寄せる。専用アプリやチャットで協力会社の職人も含め多くの人が情報を共有し、会話をするようになっている▼きつい、汚い、危険の「3K」職場の代表と言われた建設現場。デジタルシフトでそのイメージが変わるかもしれない。建設業界も「ニ...

【会社のこと、伝わってますか?】就職みらい研の20年版就職白書、「企業の情報提供、学生ニーズと隔たり」

 リクルートキャリアの研究機関・就職みらい研究所(増本全所長)がまとめた「就職白書2020」によると、就職活動中の学生が求める情報と企業が発信する情報の間に大きな隔たりがあることが分かった。  企業が情報提供したと認識している一方で、就活生は十分な情報を得たと受け止めていない。入社後に「こんなはずではなかった…」とギャップを感じ、離職につながる一因にもなりかねず注意が必要だ。  同研究所は、企業が開示する情報と学生のニーズとの合致度を検証した。回答数は1256社。調査期間は19年12月~20年1月。学生は1904人。調査期間は19年11~12月。  企業が情報提供したとする割合と、学生が認知した割合を項目ごとに比較すると、学生の認知度の方が圧倒的に低い。最も差が大きかったのは「社内研修・自己啓発支援の有無とその内容」(56・5ポイント差)。次いで「求めている具体的な能力・人物像」(52・6ポイント差)、「製品やサービス」(50・0ポイント差)、「具体的な仕事内容」(46・3ポイ...

【より安全に、より快適に】JR飯田橋駅(東京都千代田区)、新西口駅舎・ホームが7月12日供用開始

 JR東日本は16日、ホームの安全対策を進めている飯田橋駅(東京都千代田区)の新西口駅舎、新ホーム、歩行者空間(改札外・駅前)の供用を7月12日に始めると発表した。  ホームを新宿方面に200メートル移設し、ホームと列車のすき間を狭くする工事などを実施中。新ホームは1面2線(曲線半径900メートル)、新西口駅舎はS造2階建て延べ約2200平方メートル。多機能トイレ、15人乗りエレベーター1基を備え、5店舗が入る。  仮の西口駅舎は7月11日午後11時で営業を終える。駅構内には江戸城外堀の史跡を紹介する設備を置...

【現地企業とJV結成】梓設計、仏ラグビースタジアム拡張・改修で設計に着手

スタッドアルマンディーの完成イメージ 梓設計(東京都大田区、杉谷文彦社長)が、フランス・アジャンにあるラグビー用スタジアム「スタッドアルマンディー」の改修・拡張プロジェクトで、本年度から設計業務に着手する。現地建築設計事務所とのJVで、既存スタンドの建て替えと改修で設計を担う。分散していたクラブチームの事務所なども集約し、観戦環境の充実と利便性の向上を図る。設計業務は2021年2月の完了を目指している。22年8月の開業を予定する。  スタッドアルマンディーは同国を拠点に活動するプロラグビーチーム「SUアジャン」の本拠地。スタジアムの南北に屋根付きのスタンド、西側に屋根のないスタンドがある。  改修・拡張プロジェクトの設計は、梓設計・フランソワ・ドゥ・ラ・セール建築エージェンシーJVが担う。1972年に建設した北側スタンド(客席数4200席)を建て替える。同時に07年完成の西側スタンド(2096席)に屋根を架ける。完成後の総座席数は約1万席を想定。周辺に点在するクラブチームの...

2020年6月16日火曜日

【回転窓】いやな時期になりますね

九州から東北まで列島全体が14日ころまでに梅雨入りした。盛夏に必要な水を蓄える大切な時期なのだが、曇りや雨の日が多くなるとどうしても気分がめいってしまう▼夏が近づくにつれて多くなってくるのが「蚊」。寝ようと思って部屋を暗くして目を閉じると、どこからともなくプーンという羽音が聞こえ、姿なき蚊と真夜中に格闘した経験がある方も多かろう▼暗闇でも自由に飛べる蚊。これまで未解明だった謎を千葉大学などの国際研究チームが解き明かしたそうだ。時事通信が先月配信した記事によると、蚊は自らの羽ばたきで起こした気流の乱れを触角の根元にあるセンサーで感知し、自分の位置を確認しているという▼羽ばたきで起こった気流が壁などにぶつかって起こるわずかな空気の乱れ。人には感じられない微小なひずみが感知できる蚊のセンサーはよほど高性能なのだろう。研究チームがドローン(小型無人機)に似たようなセンサーを取り付け実験したところ、蚊と同じように壁や床が検知できると実証した▼超高感度センサーを搭載した小さな虫。すごいと感心...

【契約金額は計1202億円】五輪会場の仮設オーバーレイ、存置か一時撤去で交渉進む

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、東京五輪・パラリンピックで利用する競技会場の仮設オーバーレイ(観客席やプレハブ、テント、照明・空調設備など)の整備状況を明らかにした。  大会開催の1年延期に伴い、既に施工したものを存置するか一時撤去するかを各会場で交渉中。工事の一時中断後、来年の大会本番に合わせ整備を完了させるという。  12日に開かれた理事会後の記者会見で武藤敏郎事務総長が説明した。各会場では今年に入ってから仮設オーバーレイ工事が本格化していた。武藤事務総長は「仮設物の中には存置できるものもあるが、そのままにすると不都合や危険が生じるものは(一時的に)撤去しなければならない。1年延期により今夏に完成する必要は無くなったが、ある程度のところまで仮設工事を進め、存置をお願いし、本番に間に合うよう施工してもらう」と話した。  理事会で報告された仮設オーバーレイ工事の契約状況によると、マラソン会場の札幌大通公園を除く43会場で施工者との契約を締結済み。契約金...

【地域振興に貢献、何枚持ってる?】ダムカードがスタートから13年目、734カ所で配布

 ダムブームの火付け役とされる「ダムカード」。ダムの形式や貯水池の容量といった基本情報から建設時のこだわりの技術といったマニアックな話まで、ダムに関するさまざまな情報が凝縮されている。  訪れた人にだけ配布される“限定感”もあり、多くの集客につながっている。ダムカードを切り口としたツアーを旅行会社が企画するなど、インフラツーリズムにも広がりを見せている。  ダムカードの取り組みは2007年度にスタートした。導入のきっかけは、ダムマニアの集まりに国土交通省の職員が参加したことだった。「ダムに行ったらもらえる特別なものがあったらいい」。そんなマニアの意見から着想を得てダムカードを発案した。  具体化に当たり、担当者は当時流行していたトレーディングカードの一つ、「ポケモンカード」を参考にした。カードを入れる市販のバインダーやホルダーが利用できるように、ダムカードのサイズや角の丸みをポケモンカードと同じ規格にしたという。  ダムカードはパンフレットの役割だけでなく、クーポンとして機能...

2020年6月15日月曜日

【回転窓】夏の新しい生活様式

近所の小学校でようやく入学式が開かれた。「練習できた入学式の経験は貴重かもしれませんね」。感染症の不安もあって張り詰めた雰囲気を和まそうと、校長が明るくあいさつしていた▼参加を親に限り、検温とマスクの着用を義務付けた。在校生は新入生がくぐるアーチを持つ6年生の十数人だけ。様相が一変した式典だったが、晴れの日を迎えられた1年生には思い出に残る出来事になったはず▼建設現場も様変わりした。朝礼の参加者を絞り、密集・密閉・密接を回避した作業が続く。従業員の距離を確保しようと、ある建設会社は本社の隣に仮設事務所を設けた▼現場は熱中症への備えも進む。体内に熱をこもらせてしまいかねないマスクに代えて、顔や口を覆うフェースカバリングやマウスシールドを導入する建設会社が目立つ。素材を工夫した冷感マスクも注目だ▼日常を取り戻しつつある学校だが、運動会の予定を変更する可能性があるそうだ。学校も職場も感染症との共存を避けて通ることはできないだろう。梅雨の降雨が水不足にならない程度で済むよう祈りつつ、夏の...

【としまえん閉園、期間限定で新施設設置へ】練馬城址公園整備(練馬区)、西武鉄道ら5者と覚書交換

東京都は、練馬区にある遊園地「としまえん」の敷地を含む「(仮称)練馬城址公園」の事業化に向け、土地所有者の西武鉄道らと相互に連携、協力することを確認する覚書を12日に交わした。  今後、都公園審議会に整備計画を諮問し、都立公園の段階的な整備を目指す。公園区域内にはワーナーブラザーズジャパンによる映画「ハリーポッター」シリーズのスタジオツアー施設を期間限定で設置する。  覚書は▽都▽練馬区▽西武鉄道▽ワーナーブラザーズジャパン▽伊藤忠商事-の5者で交わした。緑と水の空間と広域防災拠点の確保、にぎわいの創出の三つを基本目標に掲げ、関係者間で協議しながら公園整備を進めることで合意した。  スタジオツアー施設は公園区域内の北東部に計画。段階的な公園整備のプロセスに合わせて設置工程を協議する。設置可能期間は運営開始から30年と設定。運営終了後に都立公園を整備する。映画撮影に使われたセットや小道具を展示する同施設の開設は、英ロンドンに続いて世界で2カ所目になるという。  練馬城址公園...

【債務負担行為550億円設定へ】瑞穂公園陸上競技場等整備PFI、7月にWTO入札公告

名古屋市は12日に発表した6月補正予算案に、PFIを導入する瑞穂公園陸上競技場等整備・運営事業の債務負担行為550億3900万円を盛り込んだ。  老朽化している陸上競技場を2026年のアジア競技大会開催に備え建て替えるとともに、公園全体約24ヘクタールの再生・運営を民間に任せる。7月に特定事業に選定し、WTO対象の総合評価一般競争入札を公告する。  瑞穂区山下通5ほかにある同公園は、第1種公認の陸上競技場、ラグビー場、野球場など各種スポーツ施設を備える総合運動公園。アジア競技大会では、新しい陸上競技場がメイン会場になる。市は、PFI導入に向け3月31日に実施方針と要求水準書(案)を公表していた。  PFIでは、新陸上競技場の建設と、広場や散策路、駐車場などの整備・運営に加え、既存の北陸上競技場、ラグビー場、野球場、相撲場、テニスコート、体育館(建設中)など公園全体の維持管理・運営も行う。事業方式はBTO(建設・移管・運営)。提案により民間収益施設の整備・運営も可能。  こ...

【凜】東京・港区高輪地区総合支所・福留多佳子さん

◇あふれる街づくりへの思い◇  土木コンサルタント会社を経営する父が描いていた「生き物と共存する街」に、自身も思いをはせるようになった。環境への負荷を減らす都市の在り方などを探る都市環境工学を学んだ大学在学中、キャンパスがある港区主催のワークショップに参加した。運河を活用した街づくりをテーマに区民と意見交換しまとめていく。そんな「みんなでの街づくり」に魅力を感じ、公務員になることを決めた。  入庁後に配属された部署で生物調査などを手掛けた。区内に生息するウナギやドジョウ、野鳥などの生態を調べた。自分の思いに近い業務に携わることができうれしく感じた。  3年後に異動した都市計画課では「防災街づくり整備指針」の改定などを担当。策定作業のさなかに東日本大震災が発生した。防災計画への関心が高まり、情報を「区民に分かりやすくどう伝えるか」を心掛け、作業に情熱を注いだ。  現在の部署では公園整備の計画立案などを手掛ける。さまざまな部署で経験を積む中で、安全性や利便性に加え、気遣いが感...

【中堅世代】それぞれの建設業・257

行政機関の仕事で市民との対話が求められる場面は多い  ◇寄り添って考える「誠意」を仕事の基本に◇  道路や鉄道、庁舎といった社会資本は市民生活や経済活動を支える。住民に多くの便益を与える一方、その整備時には土地収用により土地や住宅を失うなど地権者に負担を強いる。時には感情論まで発展し、事業が遅々として進まないことも。都市計画を学んだ栗山剛也さん(仮名)は「市民に寄り添った社会資本の整備や管理に取り組みたい」と国家公務員を志した。  国土や建設、運輸、観光など幅広い領域を所管する中央官庁は、政策の企画・立案、産業の育成・振興、社会資本の構築・整備と業務も多岐にわたる。仕事を前に進めるため、政治家や有識者、他の行政機関などさまざまな関係者と相対する。  新人のころ国道整備に携わった。近隣住民との協議や交渉に腐心する先輩が「寄り添って考えていく『誠意』が最も大切だ」と漏らした。本心はどうなのか住民の声に耳を傾け、新しい生活が問題なく始められるよう心を砕いて対応しなければいけな...