2020年6月29日月曜日

【凜】国土交通省北海道局・佃千加さん

◇楽しんで仕事する姿を見せたい◇

 高校時代に映画「もののけ姫」を見て、開発を望む者と森を守りたい者、どちらも間違っていないのに対立してしまう難しさを感じた。「環境と開発の両立を考えられる人になりたい」。強い思いを胸に秘め大学で土木系学科を学んだ。国土交通省に入省したのは2003年。振り返ると産休・育休を経た後の仕事は思い入れが強い。

 航空局では滑走路増設を含めた成田空港の機能強化を担当した。空港の将来像について空港会社と協議し、千葉県成田市など空港周辺の自治体と勉強会も開いた。プレッシャーは大きかったが、その分やりがいも実感できた。

 15年から2年間身を置いた復興庁は、府省庁や民間企業からさまざまな人が集まっていた。出身や文化が違っても「“復興”という同じ方向に突き進む」組織での仕事は充実していた。JR常磐線の復旧に向け関係部局や地元自治体、JR東日本との調整に奔走した。骨の折れる仕事だったが「復興のシンボル」と言われた全線開通の時期の見通しが立った時、何物にも代え難い手応えを感じた。

 19年4月から現職に就き「北海道総合開発計画」の推進のため港湾・空港分野で取り組む施策の取りまとめや予算確保を担当している。これからも仕事と家庭を両立し成長し続けるのが目標。「楽しんで仕事に打ち込む姿を後輩や子どもに見せていけたら」とほほ笑む。

(港政課企画専門官、つくだ・ちか)

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