2020年6月4日木曜日

【回転窓】インフラ再考

 東京都心部で鉄道ネットワークの機能を拡充する動きが相次いでいる。3月にJR山手、京浜東北両線の新駅「高輪ゲートウェイ」が開業。6月に入り埼京線の渋谷駅では従来の位置から北側に約350メートル移設した新ホームの供用が始まった。山手線ホームと横並びとなり、乗り換えが容易に▼再開発が活発化する東京・虎ノ門地区には東京メトロ日比谷線の新駅「虎ノ門ヒルズ」が6日開業する。周辺ではオフィスを中心に複合機能が入る超高層ビル群の開発が続き、将来は1日当たり約8万人の利用客を見込む▼駅の新設や更新によって交通結節の機能を高め、旅客の利便性向上を図る。併せて周辺地域の発展を後押しする。近年、交通機能の強化・拡充の流れに拍車をかけたのは、急増するインバウンド(訪日外国人旅行者)に加え、今夏に開催予定だった東京五輪・パラリンピックだ▼コロナ禍で経済活動がストップした影響は小さくない。電車の混雑を緩和する時差出勤、自宅勤務などのテレワークが常態化しつつある▼収束後の社会変革を見据えた議論が熱を帯びる。社会を支えるインフラ整備・管理の在り方もぜひ再考を。

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