◇あふれる街づくりへの思い◇
土木コンサルタント会社を経営する父が描いていた「生き物と共存する街」に、自身も思いをはせるようになった。環境への負荷を減らす都市の在り方などを探る都市環境工学を学んだ大学在学中、キャンパスがある港区主催のワークショップに参加した。運河を活用した街づくりをテーマに区民と意見交換しまとめていく。そんな「みんなでの街づくり」に魅力を感じ、公務員になることを決めた。
入庁後に配属された部署で生物調査などを手掛けた。区内に生息するウナギやドジョウ、野鳥などの生態を調べた。自分の思いに近い業務に携わることができうれしく感じた。
3年後に異動した都市計画課では「防災街づくり整備指針」の改定などを担当。策定作業のさなかに東日本大震災が発生した。防災計画への関心が高まり、情報を「区民に分かりやすくどう伝えるか」を心掛け、作業に情熱を注いだ。
現在の部署では公園整備の計画立案などを手掛ける。さまざまな部署で経験を積む中で、安全性や利便性に加え、気遣いが感じられ「愛着を持てる街」にしたいと考えるように。育児休暇中の今、街に置かれたベンチなどに目が留まる。「住んでいる人と同じ目線」だからこそ気付いた細かな気配りを復帰後に生かせるよう、メモを忘れない。
入庁前と後の街づくりへの思い。「ちょっと欲張りかも」と恥ずかしそうに笑った。
(まちづくり課土木担当係長、ふくどめ・たかこ)
0 comments :
コメントを投稿