2020年6月12日金曜日

【会場確保へ交渉大詰め】東京五輪組織委、大会簡素化の検討開始

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、東京五輪・パラリンピックの1年延期に伴う追加経費を最小化するため、大会運営を簡素化する方針を固めた。

 会場単位や関係者単位でサービス水準の見直しに向けた検証に入る。今後整備する仮設オーバーレイ(プレハブやテント、照明・空調設備など)も見直しの検討対象に含まれる見通しだ。

 10日にスイスで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)の理事会で延期開催の検討状況を報告し、同日の記者会見で森喜朗会長と武藤敏郎事務総長が報道関係者に内容を説明した。

 サービス水準見直しの範囲や規模、コスト削減の目標値などは今後具体化させる。個別の検討事項として「約200項目を洗い出した」(武藤事務総長)段階。各項目で対応方針の調整に入る。新型コロナウイルスの世界的な流行状況を注視しながら、今秋以降に新型コロナ対策で追加施策の検討も始める。

 競技会場などの確保状況は「かなり多くの会場所有者から理解を頂きつつあるが、まだ調整が残っている会場もある」(同)と説明。例えば選手村(東京都中央区)は都を通じ、大会後の住宅分譲などを予定している特定建築者(三井不動産レジデンシャルら11社)との交渉が続いている。大会運営への影響が大きいことから、組織委は月内めどに全会場で交渉をまとめたい考えだ。

 延期後の日程は五輪が2021年7月23日~8月8日、パラリンピックが同8月24日~9月5日に決まっている。

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