2020年6月11日木曜日

【施工は五洋建設JV、据え付け残り1ブロックに】羽田連絡道、海上橋の桁架設が佳境に

 五洋建設ら6者JVは10日、東京都大田区の羽田空港と多摩川を挟んで対岸の川崎市川崎区殿町を結ぶ「都市計画道路殿町羽田空港線ほか道路築造工事」の橋桁(大ブロック)架設作業を報道陣に公開した。

 1228トンの橋桁を台船で現地に運び、慎重に据え付けた。今回の作業で台船による据え付けは残り1ブロックになる。

 事業主体は川崎市と東京都で、川崎市が施工主体。設計・施工一括(DB)方式で五洋建設・日立造船・不動テトラ・横河ブリッジ・本間組・高田機工JVが受注した。工期は現時点で2021年3月末までだが、22年3月末まで延期する予定。

 延長840メートルで、片側1車線(幅員17・3メートル)。車道部の幅員は7・5メートル、歩道・自転車道部は片側4・9メートルを想定している。多摩川をまたぐ橋梁は鋼3径間連続鋼床版箱桁橋(複合ラーメン)と鋼2径間連続鈑桁橋。複合ラーメン構造の橋梁としては国内最長になるという。

 架設作業では千葉県富津市の地組ヤードから66・9メートル、幅17・3メートルの橋桁を4000トン級の台船で運んだ。航路を台船でふさぐため漁業組合などと連携し、迂回(うかい)路を設けるなど施工に支障がないよう工夫した。

 現場は羽田空港が近く航空法の高さ制限がある。空港の運用に支障が出ないよう迅速に施工した。

 午前4時ころから架設作業が始まった。多摩川の潮位差を利用し午前10時半頃には架設が完了、台船を撤去した。風速や潮の満ち引き、波浪などの対象条件を見極めながら作業に当たった。

 五洋建設の陶山健太現場代理人は「異業種JVで文化の違いがある中、ルールを合わせていった。3年たって団結力が生まれている。安全で仕事を進める」と話した。

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