2015年4月30日木曜日

【東京・神宮外苑】動きだす再整備、スポーツ施設を連鎖建替

 ◇国立競技場改築が契機、官民連携で開発誘導◇  東京都が「明治神宮外苑地区」の再整備に向け、検討に乗りだした。2020年東京五輪のメーン会場となる国立競技場の建て替えを契機に、既存のスポーツ施設を連鎖的に建て替えるとともに、周辺の低未利用地で公共施設の整備や民間施設の誘致を進める。地区南側にあるビル群でも、都が運用する制度を活用して民間施行の開発を誘導。官民連携で地区全体の再編を進める考えだ。  明治神宮外苑地区は、北側をJR中央線、南側を青山通り(国道246号)に挟まれた地域で、港、新宿の2区にまたがる。築60年以上で老朽化した明治神宮球場と秩父宮ラグビー場があるほか、指定された容積率を使い切っていない公園や緑地も多い。都は4月1日、地区内の地権者との間で、街づくりの検討に向けた基本覚書を交わした。覚書では、東京五輪のある2020年以降に秩父宮ラグビー場の跡地に新しい野球場を建設。その後、明治神宮球場の跡地に新しいラグビー場を建設するなどの構想で合意に至った。  都は...

2015年4月28日火曜日

【鯉のぼり】ガンバ大阪の新ホームスタジアムでスイスイ泳ぐ?

 竹中工務店が設計・施工を担当している大阪府吹田市千里万博公園の「(仮称)吹田市立スタジアム」の建設現場に、こいのぼりの幕が掲げられ、付近を通行する市民やサッカー関係者の目を楽しませている。  こいのぼりは縦3・6メートル、長さ7・2メートルの大きさ。完成後にプロサッカーチーム「ガンバ大阪」のホームスタジアムとして使用される同スタジアム南西面に設置された。5月の節句を祝い、ガンバ大阪の今シーズンの好調維持と勝利を願い職長会が中心となって作成したという。こいのぼりのコンディションが維持できれば、5月末ごろまで掲げる。  同スタジアムは、スタジアム建設募金団体(吹田市)が13年12月1日に着工。RC造・S造6階建て延べ6万6355平方メートルの規模で、4万人を収容する。15年9月30日の完成を目指している。コンストラクション・マネジメント(CM)業務を安井建築設計事務所が担当している。...

【ネパール巨大地震】日本政府が救助チーム派遣/現地で車両提供のゼネコンも

  動画サイトにアップされた地震後のカトマンズの様子。 ドローンを使って撮影したという  日本時間の25日午後3時11分ころにネパール中部で起きたマグニチュード7.9の強い地震で甚大な被害が発生したのを受け、国際支援活動が本格化してきた。 国際協力機構(JICA)は、ネパール政府が日本政府に行った支援要請に基づき、国際緊急援助隊救助チームを派遣。26日にチャーター便で成田空港を出発した。チームは団長(外務省)をはじめ副団長5人(警察庁、消防庁、海上保安庁、JICAから各1人)、救急救助要員44人、救助犬ハンドラー5人、通信隊員2人、医療関係者5人、構造評価専門家2人、業務調整員7人の計約70人で構成。派遣期間は1週間を見込んでいる。 訪米中の安倍晋三首相は日本時間27日、ネパールの大地震について「日本としても緊急援助隊を既に派遣しており、今後の復旧・復興に対してしっかりと支援していきたい」と語った。  海外建設協会のホームページによると、日本のゼネコンでは安藤ハザマがネパールに進出している。同社は首都カトマンズとインドを結ぶ「シンズリ道路」の施工に約20年前から携わり、全4工区を担当。このうち最終の第3工区が完成し、5月下旬に全線供用のセレモニーが現地で予定されている。...

【回転窓】ドローン、上手に利用を

 先週から新聞やテレビをにぎわしている「ドローン」なる言葉。小型無線航空機(UAV)のこと。無線操縦ヘリと違って素人でも操作が簡単で値段も安く、世界中でヒット商品になっている▼こともあろうに首相官邸の屋上に落ちたことに誰も気付かず、警備や危機管理の甘さとともに、UAVそのものが大きくクローズアップされることになった。政府内では規制論議も浮上している▼一方で、情報通信や撮影などの関連機器が高性能・小型化していることもあって、UAVは新しい産業の創出につながるとの期待も大きい。建設業界でもUAVの利用は増加傾向で、「大きな可能性を秘めている」と見る関係者は少なくない▼海外では、注目度の高いプロジェクトで建設現場をUAVで空撮し、写真や動画をネットで公開する例もあるという。ただ重要施設への墜落例も少なくない。もしテロに利用されたら…と思うと、規制もやむなしとの意見が出るのも理解できる▼必要以上に危機感をあおったり規制したりせず、上手に利用していくにはどうすればよいか。行政も民間も、こ...

【ターニングポイント】東急建設・飯塚恒生社長

 ◇現場主義の原点◇  「約10年の歳月を費やした東急池上線の地下化と、初めて所長を務めた横浜市営地下鉄あざみ野駅の地下駅の二つの現場かな」。そう話すのは東急建設の飯塚恒生社長。自身の考え方や価値観を方向付けられた現場だという。  池上線では、戸越銀座~旗の台駅間立体交差化工事で直下地下・直上高架切替工法(STRUM)を初適用。「当時(89年)は何とか無事に施工できたという感じだったが、昨年の(渋谷~代官山駅間地下化)工事では工程通りきちんと仕上げた」と技術の進化、技術者の成長に手応えを示す。  あざみ野駅舎は当初4年半の工程で計画されたが、工期3年の突貫工事となり「協力会社の方たちと当社の社員が連携して互いに意見を出し合い、現場の作業が進んだ」と振り返る。「従事した全員に感謝しているし、現場を離れてからも助けられている」と語り、人間関係の深化に顔がほころぶ。  両現場には、飯塚社長が掲げる「現場主義」の原点がある。...

【覚悟と着替えを持って参戦するべし】5月17日、群馬県のある場所でドバッと水が!!

矢木沢ダムの放流はダイナミックさがウリ  群馬県の山間部にある二つのダムで、洪水吐きゲートの作動状況をを点検するための試験放流が実施される。この点検放流は、毎年行われているのだが、ダムマニアの間では「これを見ずして『通』とは名乗れない」と語り継がれる(?)ほど、強烈なインパクトがある。  5月17日に点検放流を行うのは、群馬県みなかみ町にある矢木沢ダムと奈良俣ダム。矢木沢ダムは最大毎秒約30立方メートル、奈良俣ダムは同10立方メートルの水を洪水吐きゲートから放流する。沼田総合管理所に取材したところ、「矢木沢はスキーのジャンプ台から一気に水が流れるイメージ。奈良俣は水がさらさら流れる感じですね」と担当者の方。矢木沢ダムの放流を見学する場合は「びしょ濡れになる覚悟で来てください」とも。  矢木沢ダムは駐車場がなく、見学の際は道路の路肩に駐車することになるので、縦列駐車のテクニックが必須。放流時間は午前10時~11時だが、来場者が多くなった場合「昨年度のケースですと、遠い方は駐車...

【奴は暗闇に潜んでいる】ケニアにキャッツアイ登場(美人三姉妹ではないが・・・)

暗闇で光を放つ「キャッツアイ」  アフリカ・ケニアに「キャッツアイ」が登場。といっても美人三姉妹窃盗団ではありません。道路上に設置し、夜間に車線などの視認性を高める「道路鋲」というまじめな話。日本政府の無償資金協力で建設したナイロビ西部環状道路に、国際協力機構(JICA)のパイロットプロジェクトの一環で導入された。  日本ではよく見かける、交差点や車線上の道路鋲。反射板が取り付けられており、その形状からキャッツアイと呼ばれることもあるようだ。道路の安全性向上を目的とするこのプロジェクトではほかに、レーンがわかりやすい白線や遠くからでも見える減速帯(ハンプ)の注意喚起の斜線などを設置した。 道路の真ん中にお宝が!!  キャッツアイは反射板がついたものと太陽光を利用した発光タイプの2種類。ケニアでの導入を通して、日本製のキャッツアイの効果を検証することと高温の気候にも耐えられるかどうか耐久性能を確かめることを目指している。  日本式の交通安全がアフリカでも役に立っ...

2015年4月27日月曜日

【動かざること山の如し・・・でないこともある】弘前城へ急げ/引っ越し前、最後の桜まつり

天守と桜のコラボはやっぱりきれい   桜の名所として知られる青森県の弘前城。例年よりも開花が早く、20日時点で外堀の桜は満開目前で、今週末は天気さえよければ、お花見には絶好という。夜桜のライトアップやボートの貸し出し、駐車場の受け入れも始まっているが、余裕と時間がある方はぜひ、弘前城に行くことをお勧めする。  その理由は、天守を現在の位置でしばらく見られなくなるから。数年前から弘前城は、本丸の石垣が外側に膨らむ「はらみ」が目立ちはじめ、崩落の危険が高まっていた。約100年ぶりの大改修のため、天守は5月11日から閉鎖され、引っ越し作業、すなわち「曳き屋工事」が8月下旬からスタートする。移動距離は約70メートル。昨年11月から内堀の埋め立てなど準備工事が始まり、天守を移動させた後は、石垣の修理が始まる。10年がかりの工事だそうで、天守が元の位置に戻ってくるのも5年先になるとか。  弘前市役所の公園緑地課に聞いたところ、曳き屋工事は、地元の建設会社が施工を担当するそう。石垣の...

【これでトイレも困らない?】首都高で路外PA検討開始/検証通じ優先整備個所リスト化

路外PAの導入イメージ 首都高速道路会社が、ETC(ノンストップ料金収受システム)を活用して首都高速道路の外にパーキングエリア(PA)などの休憩施設を整備する、「路外PA」事業の具体化に乗りだす。路外PAを試行導入し、普及促進策や整備コストの削減策のほか、民間投資を誘導する事業スキームやビジネスモデルなども探る。  同社が中長期的に取り組む重点施策をまとめた「快適走行ビジョン」(2月公表)では、サービス向上策の一つとして、路外PAの仕組みを具体化させることを目標に設定。今後、実施箇所などを検討する方針を示していた。検討では、首都高速道路上にPAが整備されていない区間で休憩・食事などのサービスを提供するため、路外PAの試行導入とその効果を検証する。  路外PAの具体化に向け、これまでに一部区間で実施したスマートPAの実験(1~4次)結果を参考に、路外PAの優先整備箇所をリスト化。概算事業費の算出のほか、整備効果や採算性などを比較・分析しながら路外PAを試行導入する最も有力な箇所を...

【ちょっと一息】発明で巨万の富を築く人、とそうでない人

 仕事で煮詰まったりすると「宝くじが当たらないかなー」と思ったり、「世紀の大発明でひと山当てられれば」と思ったりするのは、一人や二人ではないないはずだ。発明で巨万の富を得た代表格はダイナマイトでおなじみのアルフレッド・ノーベル。生涯で350件もの特許を取得したノーベルは数百億円もの遺産を残し、これがノーベル賞設立のきっかけになったのは有名な話。  ダイナマイトに負けず劣らず、現代社会に大きな影響を与えるある技術を発明した人物が1791年の4月27日、当時の米国でこの世に生を受けた。それはサミュエル・モールス。「っえ、それは一体だれ!?」とおもったそこのあなた!!あなたは今日から携帯電話を使ってはいけません。モールスは電信機をつくり出した発明家で、トン、ツー、トンでおなじみのモールス符号に名を残す。  が、今になれば世紀の大発明の電信機も、その当時は特許を認める認めないで大変な騒ぎだったという。米国よりも海外で名声が高く、財産を慈善活動に費やした。電信の特許を他者が利用しても特許料を求めることはほとんどなく、ノーベルが死後、巨万の富を残したのに対して、モールスは50万ドルほどだったという。ちなみにモールスは、発明家だけでなく画家という別の顔ももっていた、というのは豆知...

【回転窓】幸福って何だろう

 「狙った通りにピッタリと撮れた写真はつまらない」。写真家・土門拳はいわゆる「間のいい」写真を嫌ったという。頭で考えただけの写真では訴える力がないというのだ▼商売柄、カメラを扱うことが多いが、見る人をうならす写真を撮るのは容易ではない。その場の状況やその時の話の内容などを踏まえ、その状況に合った場面を一瞬にして切り取る。一枚の写真が、添えられた文章よりも人々の心に残るということはよくある▼数年前に刊行された『宮本常一が撮った昭和の情景』(上・下巻、毎日新聞社)を見た。民俗学者・宮本常一が1955~1980年の25年間、全国を歩いて庶民の暮らしを撮り続けた10万点以上の写真の中から、850点を収めたものだ▼市井の人々の姿が映し出されているだけの即物的な写真集で、決して何かを狙ったものではないが、強く感じるものがある。写真の中の人々の目の輝きが、今を生きるわれわれとは違って明らかに強い光を放っている▼今よりもずっと貧しかった時代でも、人々は生き生きとした表情をしている。幸福とは何だろうと、あらためて考えてしまう。...

【サークル】大建工業 フットサル部

チームみんなで「DAIKEN」の人文字  ◇モットーは「人のプレー褒めよう」◇  大建工業の社員を中心に、社員の大学・高校時代の友人や取引先企業にも誘いをかけて04年に発足した「フットサル部」。発足当時は8人だったチームが、この4月時点では38人まで拡大した。メンバーは、首都圏に住む社員が中心で、さまざまな部署から参加しており、月1~2回の活動を通じてさわやかな汗を流している。  「人のプレーを褒めよう」がモットー。うまくなるために明るく楽しくプレーすることを心掛けている。1回当たりの活動時間は約2時間。経験者・未経験者が一緒になり、練習と試合をそれぞれ1時間ずつこなす。昨年の夏と冬には、横浜市内で行われた20チームほどが参加する大会で優勝するなど、着々と実力も付いてきている。  「チームの若返りが必須」と話すのは、代表の茅野佑亮さん。さまざまな年代の人が気軽に交流できる企業サークル活動の面白さを伝えることで、メンバーの増員を目指すという。「運動したい人やダイエットしたい人...

【駆け出しのころ】若築建設執行役員東京本社建設事業部門土木部長・佐藤信一氏

 ◇会社や自分の味を加えてこそ◇  私が中学生のころ、家には土木の学校に通っていたいとこが下宿していまして、カラス口のペンで製図をよく書いていました。それを見て設計は面白そうだと思ったのが、私も理系に進んで土木の道を選んだきっかけだったかもしれません。  入社して配属されたのは千葉支店です。漁港や港湾などのいくつもの現場を担当する事務所に赴任しました。初めのころの仕事は、ケーソン製作の写真を撮ることなどが中心だったと記憶しています。  海での工事は気象に大きく影響されます。このため、常に気象情報を把握しておかなければなりません。ある年のことです。例年なら、一年の中でも海が穏やかな8月のお盆を迎えるころまでにケーソンを据え付けます。しかし、この年は8月以降も年度末にかけて、いくつものケーソンを据え付けていく必要がありました。  その間は、海上で作業ができる日を決めるため、海の状況を見ては天気図とにらめっこしながら検討する日々でした。現在のような気象情報サー...

【中堅世代】それぞれの建設業・92/名も知られぬ技術に光当てたい

生産効率を高める技術の重要性が高まっている  建設会社で研究開発部門を歩んできた中田光さん(仮名)は、「土木構造物や建築物そのものを形づくるハード技術は成熟しつつある。今後は建設生産システムの効率性を高める研究開発の比重がより大きくなる」とみている。特にBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)などのソフト分野の研究だ。  ◇◇◇  経営環境が好転した今こそ、将来を見据えて技術戦略を練り直すことが重要だと思う。  長く続いた建設不況で、中田さんの会社を含め多くのゼネコンが研究開発投資を抑えてきた。「現場を支える技術力を磨くことに経営資源を集中するべきだ」。業績回復を受けて中田さんは上層部にそう進言してきたが、十分な回答は得られていない。現場に目は向けても、バックヤードの技研への投資には慎重姿勢が続いているように見える。  かつては技研に配分される予算も人も多かった。20年ほど前の最盛期に比べると、現在...

【結】不動テトラ地盤事業本部国際部 ゴ・アン・トゥンさん

 ◇いろいろな考え方が刺激になる◇  ホーチミン工科大学在学中に日本の奨学金制度を活用し、02年に来日した。大阪外国語大学で日本語を学んだ後、東京大学へ進学。教養学部、工学部を経て大学院工学系研究科に進み、社会基盤学専攻を修了した。  「大学院には不動テトラの研究員が在籍しており、その人にいろいろと話を聞かせてもらった。地盤について勉強していたこともあり、地盤に強い会社なので入社を決めた」と話す。  入社後最初の1年半は現場で勤務。現在は地盤改良工事の設計・技術提案書や施工計画書の作成などを担当している。職場のコミュニケーションツールは日本語。「自分の意図がうまく伝えられず、文章を上司に直してもらうこともある。日本人の仕事の進め方を身に付けることは苦労というよりも勉強だ」と前向きに捉える。  海外プロジェクトで外国の人と仕事をする機会も増えた。「新しい考えに接するチャンス。国ごとに違って刺激になっている」。母国ベトナムにも1年半駐在し、現場の技術支援や施工管理に当たった。「海...

2015年4月24日金曜日

【ちょっと一息】ふと思ったのだが・・・

 乾物と干物、違いはなんだろう?どちらも水分量が低いことは間違いない。っと、くだらないことを考えつつ、楽しい週末に向けてもう一踏ん張り。答えが分かる方、コメント欄にお願いしま...

【東京駅前が綺麗になる】丸の内交通広場の整備始動!!

交通広場の完成イメージ  創建当時の姿が復元され、都内の観光スポットとして多くの人を集める東京駅の丸の内駅舎。生まれ変わった駅に歩調を合わせるように、丸の内口に2カ所の交通広場を整備する事業がいよいよ始動する。東京都はJR東日本に委託し、近く工事に着手。2カ所の交通広場の間ではJR東日本が駅前広場を整備中で、いずれも17年度の完成を目指す。  事業では、千代田区丸の内1~2丁目で東京駅丸の内口の両側の都市計画道路と、駅前の交通広場を整備する。駅の北側には延長105メートルの補助第98号線、南側には延長95メートルの補助第97号線を整備。いずれも道路幅は36メートル。駅前には、補助第98号線の先に5900平方メートル、補助第97号線の先に6300平方メートルの交通広場をそれぞれ整備する。交通広場には路線バスの停留所やタクシー乗り場などを集約する。  交通広場2カ所に挟まれる空間では、JR東日本が6500平方メートルの駅前広場を整備。駅の前面に芝生や夏季限定の池などを配置する。広場...

【職人を囲い込め!!】ゼネコン各社があの手この手

優秀な職人なしに高品質な工事はあり得ない  建設現場で働く技能者の不足が深刻化している建設業界で、ゼネコン各社が協力会社の職長や上級技能者の賃金を上乗せする動きを強めている。東日本大震災の被災地での復興事業に加え、2020年東京五輪に向けたインフラ整備、首都圏での再開発などが急激に増えるとみている。安全で高品質の施工を維持するために、現場で作業に当たる職人の地位向上と処遇改善を図り、必要な人材の囲い込みを狙う。  ◇シニアマイスター制度の導入が拡大◇  竹中工務店は4月17日、現場で働く優秀な職長「マイスター」の中から特に優れた職長を「シニアマイスター」として認定し、賃金を引き上げると発表した。初認定されたのは21人。同社の現場で150日以上勤務することを条件に、1日当たり3000円を上乗せする。支払いの最低条件となる150日の勤務でも、他の職人より年間45万円も賃金が上がる。東急建設も同日、優良職長認定制度「東急建設マイスター」の見直しを発表。従来はマイスタ...

【東京の道路を冷やせ】五輪開催に向け公道の暑さ対策検討開始

都心の道路がどう変わるのか、検討成果に期待  2020年に開催される東京五輪では、マラソンや競歩といった公道で行う競技の出場選手や観客を真夏の酷暑からどう守るかが大きな課題になっている。ヒートアイランド現象がますます深刻化している東京都心部。真夏の日中、都心の繁華街やオフィス街は想像を絶する暑さになり、生命の危険すら感じることもある、と言っても過言ではない。  こうした状況を改善するため、国土交通省は暑さ対策を検討するための有識者会議「アスリート・観客にやさしい道の検討会」を発足させた。路面温度の上昇を抑える舗装技術を採用し、選手の好記録を引き出すとともに、観客の熱中症防止も図る。今夏に都内の道路で競技や観戦に適した遮熱性舗装や保水性舗装の効果を検証。マラソンコースなどへの導入に向けた具体方策作りに乗りだす。五輪後に国内外で日本の環境舗装技術を普及拡大させる狙いもある。  これまでの環境舗装は車両通行に重点置き開発・実用化されてきた。今夏に行う環境舗装の検証では、道路を実際...

【ILCってなに?】国際リニアコライダー計画実現へ東京宣言

   素粒子物理学の最先端実験施設「国際リニアコライダー(ILC)」計画を推進する先端加速器科学技術推進協議会(西岡喬会長)と国際研究組織のリニアコライダーコラボレーション(LCC、リン・エバンスディレクター)が、東京都内で国際シンポジウムを開き、早期の誘致実現へ「ILC東京宣言」を発表した。  ILCは、全長が30キロメートルにも達する直線状の加速器を造り、現状到達可能な最高エネルギーで電子と陽子の衝突実験を行う施設。ビッグバンに迫る高エネルギー反応をつくり出すことで、宇宙創成や時間と空間の謎が解明に近づけるといわれる。施設の誘致を目指す日本では、北上山地(岩手、宮城両県)での建設開始を目指し、LCCが中心となって機器の開発や土木設計に向けた検討を進めている。   シンポジウムでは、エバンスディレクターが東京宣言を読み上げ、「ILCは今後の研究発展のために不可欠。われわれ研究者は実現を切望している」とあらためて重要性を強調。日本政府がILCの事業評価を実施していることに謝意を示し、総額1兆円とされる事業費の分担をめぐって各協力する仕組みの構築が必要だと訴えた。 ...

【回転窓】基準は給与・休日・勤務地

働きやすい職場ってなんだろう・・・  最近の若者が職業を選ぶ際の基準は「給与、休日、勤務地の3点」と同僚に教えられた。要は他社より給料が高く、休みも取れ、転勤のない企業を探すということか。給与の引き上げや、休日出勤・残業の削減、地域限定で働ける社員制度の導入などに力を入れる企業が目立つのもうなずける▼新卒採用戦線は今や売り手市場。特に数が少ない理系学生は役所や他産業も含めて奪い合いといってもよいだろう。各社が待遇や職場環境の改善を急ぐ背景には若手の離職が多いという事情もある▼厚生労働省が行った新規学卒者の離職状況調査によると、建設業に就職した新卒者(11年3月卒業)の3人に1人が3年以内に離職していた。離職理由の上位には労働時間の長さや給与への不満とともに、仕事のミスマッチや将来への不安も並んでいた▼厳しい現実の前で立ちすくむ若者にどう手を差し伸べるのか。難題だが、ここから逃げれば「選ばれる産業」にはなれまい▼建設コンサルタンツ協会が今月、20~30代の若手社員を集め、定着率を...

2015年4月23日木曜日

【ちょっと一息】ひと箱1000円!?、でも銀歯が取れちゃうことも・・・

 コンビニや駅の売店などで目に付くと、「たまには食べたいな・・・」とついつい思ってしまうお菓子。人それぞれ好みがあると思うが、おそらく多くの人が上位にランクインさせるであろうものが、1914年の4月23日に誕生したのをご存じだろうか。  それは箱に入ったキャラメル。森永製菓の創業者・森永太一郎がキャラメルを箱詰めして売り出したのが、今をさかのぼること約100年前。キャラメル自体は1899年から売り出していたが、ばら売りや量り売りがほとんど。1908年に缶入りが発売されたが、1914年に満を持して箱入りがこの世に誕生したというわけ。  森永製菓のHP・ミルクキャラメルの歴史年表によると、1910年ごろの価格比較は、キャラメル1粒が1銭に対し国鉄入場料5銭。箱入りキャラメルは、現在の貨幣価値で1000円もする高価な品だったそうだ。今も昔も、あの甘さは人々の心を惹き付けて離さない。まさに魅惑の味だが、油断している時「あー、銀歯が取れちゃったよー」と苦い経験をしたのは、一人や二人では済まないはず・・・...

【回転窓】季節は初夏へ足早に

これはマグロ(しかも最後の1匹!!)  神奈川・足柄方面の山中を取材で訪れた。所々に自生するヤマザクラの花もすっかり散り落ち、葉の緑が濃さを増している。季節は初夏へと足早に移り変わりつつあった▼初夏の句として有名な〈目には青葉山ほととぎす初鰹(はつがつお)〉。江戸時代の俳人・山口素堂が詠んだこの句は、初夏の風物を視覚、聴覚、味覚の三つからリズムよく見事に捉えているのだが、「花より団子」の性分からか、初鰹の印象ばかりが強く残る▼黒潮に乗って太平洋を春に北上し、秋に南下する回遊魚であるカツオは、春に水揚げされるものを「初鰹」、秋は「戻り鰹」と区別する。江戸時代には「女房を質に入れても初鰹」といった川柳もはやるなど、古くから日本の食文化を代表する魚として愛され続けてきた▼春先から初夏にかけて初鰹の水揚げはピークを迎えるが、近年は漁獲量も減少傾向にあるという。その原因として、海水温の低下のほか、巻き網漁による外洋での大量捕獲などを指摘する声もある▼四方を海に囲まれた日本では、水産資源の...

【頑張れ、けんせつ小町!!】女性向け現場用品、続々発売

一見すると普通のヘルメットだが・・・   産業用ヘルメットメーカーの谷沢製作所(東京都中央区、谷澤和彦社長)は、工事現場で働く女性向けの安全商品「さくらシリーズ」の販売を始めた。商品は▽超軽量の「ヘルメット」▽腰に優しい軽量の「胴ベルト型安全帯」▽落下時の腹部への負担を軽減する「ハーネス型安全帯」-の3種類。購入の申し込みは同社営業部(電話03・3552・5581)へ。  ヘルメット(さくら仕様)は、首への負担が少ない超軽量の特殊FRP(繊維強化プラスチック)を採用し、重量が320グラム。女性の頭にフィットするよう専用ヘッドバンドを付け、化粧品などで汚れやすい額部分には毎日取り換えることができる「さわやかバンド」(2枚)も標準装備した。あごひもには日焼け跡が残りにくいビニール製の「透明あごひも」を採用した。色は白やピンクなど10種類。定価は8800円。 大きさの違いは一目瞭然。頭が小さい男性もOK!?  胴ベルト型安全帯(さくら仕様)は、サポートベルトを標準装...

【修繕、代行します】四国整備局が老朽インフラの維持管理で自治体支援/初弾は大渡ダム大橋

  仁淀川の上流部に架かる大渡ダム大橋  自治体が管理し、老朽化している橋梁の修繕を国が代行する試みが、高知県でスタートする。四国地方整備局は15年度、高知県仁淀川町が管理する「大渡ダム大橋」の修繕を、同町に代わって行う取り組みを開始。全国的にも初めての試みで、老朽インフラの維持管理や修繕が大きな問題としてクローズアップされていることから、注目度が高い事業といえる。  大渡ダム大橋は、高知県の仁淀川に架かる吊り橋。長さは444メートルで、橋梁形式は1径間単純合成橋+1径間補鋼トラスつり橋+単純合成鈑桁橋3連+2径間連続非合成鈑桁橋の全7径間。1983年の架設から32年が経過し、老朽化による腐食などの損傷が多く発生している。 点検で確認したボルトの腐食  昨年9月には、同整備局が道路メンテナンス技術集団による直轄診断を実施。橋梁点検車や高所作業車を用いた近接目視による調査を行った。その結果、つり橋のメーンロープやハンガーロープで腐食が進んでいたほか、両ロープのジョイン...

【海上でもよっこらしょ。今度は1800トン】首都高速会社が巨大鋼桁を海上で一括架設

台船で運ばれてきた長さ143mの巨大鋼桁  首都高速道路会社が建設している首都高速道路の晴海線未整備区間(中央区~江東区)で22日、台船による鋼桁のリフトアップ架設では、過去最大規となる作業が行われた。工場で製作した長さ143メートル、重量1800トンの巨大な鋼桁を台船で運搬。潮の干満差が2m近くなる大潮の時期を狙い、作業工程を組んだという。天候不順で当初予定より2日遅れで行われたリフトアップ。足下が不安定な海上での作業は、施工精度を確保するのも困難だが、技術力と経験を生かし無事作業を完了させた。  晴海線は、16年度の完成を目指している。新橋と虎ノ門を結ぶ環状2号線が臨海部まで延伸され開通すると、東京都心部から2020年東京五輪の選手村や豊洲新市場へのアクセスが大幅に向上する。首都高速会社は「今後もダイナミックな工法で架設作業を進めながら、早期完工を目指したい」(東京建設局の並川賢治建設部長)考え。  143メートルに1800トン…。素人には想像が難しい巨大な構造物を、海上で...

2015年4月22日水曜日

【ちょっと一息】サザエさんって福岡に住んでたの!?

 今からさかのぼること約70年前の今日、九州の地方紙で後に国民的人気作品となる4コマ漫画の連載がスタートした。長谷川町子さんの手による「サザエさん」の誕生日は1946年4月22日で、掲載されたのは福岡のフクニチ新聞。物語の舞台は博多で、主人公のサザエさんは独身だったそう。  サザエさん=東京(世田谷区桜新町)というイメージが強かったが、それは長谷川さんが連載を始めてから家族で東京に引っ越したのが理由。転居に併せ漫画の舞台も変更。福岡で連載を一度打ち切るとき、最終回でマスオさんと結婚するエピソードが描かれたそうだ。ちなみ掲載紙は夕刊フクニチ→新夕刊→朝日新聞と変遷。話数は6400を超え、1974年2月21日が最後の掲載だとい...

【興味はすべての第一歩】鹿島が子ども向けHP開設

お子様も安心してご覧いただけます 鹿島は、子ども向けホームページ「カジマキッズアカデミー」を新設した。将来を担う子どもたちに建設業の果たす役割や魅力を伝え、興味を高めてもらうのが目的。土木、建築の基礎知識や身近な生物について楽しみながら学べるのが特色だ。同社は今後、新しいコンテンツを順次追加し、内容のさらなる充実を図っていく。  同アカデミーは、「土木と建築ってなに?」(http://www.kajima.co.jp/enjoy/kids_const/)と、「探検しよう!いきものにぎわうまち」(http://www.kajima.co.jp/enjoy/kids_env/)の二つのホームページで構成する。  「土木と建築ってなに?」では、一問一答形式で土木、建築の基礎知識が学べるほか、夏休みや冬休みの自由研究にも使える実験や観察方法などを紹介するコーナーも用意している。「探検しよう!」は、子どもに身近な花や鳥、虫など60種の写真や特徴、見付けやすい場所を紹介する図鑑を掲載。いき...

【日系ゼネコン、海外で頑張る】大型受注続々、アジア中心に実績伸ばす!!

チャンギ空港複合施設(シンガポール)の完成イメージ  海外事業の強化に力を注ぐゼネコン各社。国内市場も足元は堅調に推移しているものの、2020年東京五輪後の事業環境を見据え、海外事業を成長戦略の柱の一つに据える企業は多い。経済発展に伴い建設需要が旺盛なアジア各国の拠点を強化し、受注活動に本腰を入れる社が増えており、受注実績も着実に伸び始めている。  ◇主戦場はシンガポール◇  14年度はシンガポールで大型案件の受注が相次いだ。清水建設は、現地企業とのJVで同国厚生省が発注した「チャンギ総合病院メディカルセンター新築工事」を国際入札で受注した。同国での施工実績や日本からの技術支援体制などが評価された。東南アジアのハブ空港として機能しているチャンギ国際空港では拡張や新設計画が進んでおり、日本企業が多くの工事を受注した。竹中工務店は現在、第4ターミナルを建設中で、3月には第1ターミナルの拡張工事を受注。大林組は昨年11月、第1ターミナル隣接地に建設する複合商業施設と第1...

【回転窓】楽しみなロボットの可能性

22日から職場を本館の1階から7階に移した地平さん  「ご来店いただきありがとうございます」。こう声を掛けられた相手が、実はロボットだったら…。そんな好奇心から今週初め、新聞で読んだ情報を基に東京都中央区の日本橋三越本店へ出掛けてみた▼このロボットは、7階催し物会場でのイベントをPRするため、本館1階に受付嬢として展示された。東芝が開発したロボットで、名前は「地平(ちひら)アイこ」。人間らしい表情がリアルであり、多くの来店客が足を止めて見入っていた▼生活に身近なところで、ロボットの可能性は広がりつつある。今月14日には神奈川県が、生活支援ロボットの共同開発プロジェクトを募集すると発表した。対象分野は介護・医療、高齢者の生活支援、災害対応。いずれもロボットの活用が大いに期待される分野である▼ロボットクリエーターの高橋智隆氏は本紙のインタビューで「ロボットによって全く予期していなかった変化が起きていく」と予測を語った。生活に密接な住空間も例外ではない▼建設関連では現場作業だけでなく...

2015年4月21日火曜日

【ちょっと一息】数学者と新聞記者

 米国の求人情報サイト、キャリアキャスト・ドットコムは先週、14年版「職業ランキング」を発表した。政府が発表した統計データをベースに、職場環境や収入、成長性などを加味して1位から200位までを集計。ネットワークの高度化やビジネス規模の拡大を背景に「数学者」が堂々の1位にランク付けされた。2位~5位は大学教授、統計学者、保険数理士、視覚訓練士の順。世の中に学者がどれだけいるのか定かではないが、大学教授を含め「学の世界は安定しているのか~」などと思う。  ランク上位はさておき、気になるのがワーストランキング。195位コック長、196位アナウンサー、198位下士官兵ときて、199位、ワースト2位に新聞記者が・・・。インターネットの発達で紙媒体の肩身は狭くなるばかり、ということなのだろう。米国と日本で状況は違う(と信じている)。とはいえ、デジタルの海をでどうやって泳ぎ存在感を示していくのか、さまざまなメディアはその点に大きなパワーを掛けていることは間違いない。  ちなみにこのランキング、あまりに将来が暗くて集計の対象外にしている職業がいくつかあるという。新聞記者がその仲間に張らないように、デジタルの海の末席?端っこ??で細々とブログを更新していこう、と思う今日この...

【暗闇を照らす一筋の光】金上野トンネル(高知県四万十町)が貫通/片坂BP開通へ前進

岩盤を貫き光が差し込む瞬間の感動は何物にも代え難いはず  四国地方整備局中村河川国道事務所が建設している国道56号片坂バイパスの「金上野(きんじょうの)トンネル(仮称)」が17日、貫通した。同バイパスは18年度の供用開始を目指しており、主要構造物である同トンネルの貫通によって、開通に向けて工事が大きく前進した。  金上野トンネルは、同バイパスの四万十町金上野~黒潮町市野瀬間でNATMによる工事が進む。トンネルの規模は延長1916メートル、内空断面積77・5平方メートル。13年1月に掘削を開始し、約2年3カ月を要して貫通となった。  17日には、黒潮町側坑口付近の切羽をブレーカーで掘削すると暗い坑内に一筋の光が差し込み、無事貫通した。この後、貫通式が行われ、鏡開きや万歳三唱で工事関係者が貫通を祝った。  施工を担当する安藤ハザマの小林雄二所長は、発注者や協力企業に感謝の気持ちを述べるとともに「全工期無事故無災害で完成させる」と決意を表明した。...

【回転窓】ペンとノートとパソコン

 記者の商売道具で何より欠かせないのはペンとノート。と言いたいところだが、最近は、取材先で話を聞きながら、ペンとノートの代わりにその場でパソコンのキーをたたいて打ち込んでいく若い記者も多いらしい▼駆け出し時代にはパソコンもなく、敏捷(びんしょう)性も衰えた中年記者にはとてもまねできない技。感嘆するほかない。もっともノートだって必ずしもきれいに取れるわけではない。いざ記事を書く段になってノートをめくったら、あまりの悪筆に自分でも判読不能という誠に情けない仕儀に立ち至ることも▼文芸春秋と旺文社が先日、「ノートを借りてみたい東大卒の小説家は?」との共同で行ったアンケートの結果を発表した。男女1014人の回答のうちダントツの276票を集めたのは夏目漱石▼作品の人気の影響も大きいようだが、「分かりやすく要点が書いてありそう」との意見が多かったという。東大合格生のノートが本になるくらいだから、きれいに整理されたノートに憧れる人は多いのだろう▼ノートは汚くても書いた記事で勝負。中年記者とし...

2015年4月20日月曜日

【ランチ女子会】パシコンが先輩・後輩の交流後押し!!

ランチ女子会で和気あいあい。高木社長も楽しそうです パシフィックコンサルタンツは17日、15年度に入社した女性社員21人と、先輩女性社員8人による女性ランチ会を行った。グループに分かれて社員同士が交流を深めた。ゲストとして高木茂知社長と藤原憲男プロジェクト事業本部長も参加した。  女子ランチ会は、新入社員に多くの先輩女性社員がいることを知ってもらい、困った時の相談など今後のネットワークづくりに生かしてほしいとの思いから「ダイバーシティ推進室」が企画した。先輩女性社員が自身のキャリアやこれまでの仕事でうれしかったことを1人ずつ話した後、グループで自由な交流の時間を持った。  高木社長は「私が入社した時代は、女性は事務職とキーパンチャーの方だけだった。今年は21人の女性社員が入社し、覚醒した感じがする」と語った。...

【凛】国土交通省 土地・建設産業局建設業課・伊藤加奈さん

 ◇ギョームラにドボジョがやってきた!!◇  東京・霞が関の国土交通省に、通称「ギョームラ(業村)」と呼ばれる場所がある。建設業と不動産業という同省が所管する産業について、それぞれに対応した「業法」をベースに施策の企画・立案を担う土地・建設産業局各課の総称だ。そんなギョームラにこの春、配属された。  北海道出身で入省3年目。北海道大学で交通工学を学んだ「ドボジョ」。大学院ではそこから派生する形で津波防災に関する地域計画を研究した。  就職活動で、ゼネコンや建設コンサルタントをはじめ、さまざまな民間企業のことを調べてみて思ったのは、民間企業が持つ技術力の高さ。「それを発展させるような仕組み作りをしたい」と考えるようになり、行政の道を選んだ。  北海道開発局で2年間の経験を積んだ後にギョームラへ。土木施工管理技士など国家資格を担当する窓口に配属され、「わずか数週間の中でも業界の皆さんの関心が高く、影響力が大きい部署なのだと感じた」。同時に、業界の発展に役立つ仕事をしたいという気持...

【中堅世代】それぞれの建設業・91

仕事を断る異例な状況も長くは続かない…  ◇50代は若造、会社人生の旬はこれから◇  ゼネコンで建築営業を担当する坂上真さん(仮名)は、「社内では、『余計な仕事は取ってくるな』とくぎを刺されている」と真顔で話す。本来、顧客を回って1件でも多く工事を受注してくることが、営業マンとして会社から与えられた役割のはずだが、その会社から、仕事放棄の容認とも受け取れるような指示を受けている。  景気回復によって民間の設備投資も活発化し、仕事の話はあちこちで聞こえてくる。ただ、今の社内は、設計、積算、現場部門も含めて手持ち工事に対応するので手一杯。よほど割のいい仕事以外は無理して取る必要がない状況だ。  建設コストは高止まりしている。着工後のコスト上昇のリスクも受注額にできる限り織り込みたいため、施主と交わす請負契約が着工間近のぎりぎりになるケースも増えているという。  顧客から仕事の話を持ち掛けられても、見積もりを出さずに断ることもある。  「最近では、仕事を出す前に顧客の担当者が複数...

【サークル】コマツ 華道部

「生け花の魅力を発信したい」と話す  ◇「いつも心にお花を…社内に安らぎ空間創出」◇  コマツが東京・溜池山王に本社を構えた1951年当時から活動している華道部。部員は14年12月時点で8人。昨年には男性部員も誕生し、「植物男子」として熱心に稽古に励んでいる。  「いつもココロにお花を」がモットー。本社1階の受付カウンターで来客をいつも暖かく出迎えるのは、部員が生けて飾った花だ。正月やひな祭りなど行事ごとに花を変え、来客だけでなく社員にも季節感を感じてもらえる安らぎの空間を演出している。創立記念日やOB総会などで壇上を彩る花も華道部の担当。晴れの舞台での披露に向けて日々、腕を磨いている。  「男性部員が誕生したことで、男性の感性に私たちも刺激を受けている」と話すのは、部長の飯塚裕子さん。部員は多い時は20人以上いたこともあり、2部交代制で活動を行うなど今以上に活気にあふれていた時期もあったという。「お花に触れていると、最高の気分転換になる」と華道の魅力を笑顔で語る。  今後...

【駆け出しのころ】東洋建設取締役専務執行役員土木事業本部長・森山越郎氏

 ◇身に付いた習慣は変えられない◇  小さいころはラジオ少年で、真空管などを使ってラジオを作るのが好きでした。ゆくゆくは電子工学を学びたいと考えていましたが、目の関係で断念し、大学は土木工学科に進みました。もともとものづくりが好きでしたから、スケールの大きいものをつくれる土木を選んだのだと思います。  入社して初めに配属されたのは、本社の調査設計部です。海洋工事で発生する水の濁りがどう拡散していくかといった解析などを行っていました。  現場勤務となったのは入社5年目で、高架橋建設工事の現場に赴任しました。この現場では、当時はまだ設計手法が確立していなかった工法を適用するため、いろいろな基礎実験や実証実験を重ねました。それこそ昼夜寝ずの日もあって大変でしたが、発注者と共に適用に向けて努力させていただきました。  若いころは現場でいろいろな失敗もしました。例えば場所打ちコンクリート杭の施工では、杭を決められた位置から50センチもずれて打ってしまったことがありました。  しっかり確...

2015年4月19日日曜日

【アルプス山脈をぶち抜け!!】スイス~イタリア間に世界最長の鉄道トンネル、来年開通へ工事着々

岩盤を貫通したTBM(© AlpTransit Gotthard Ltd.)   ◇世界最長、57キロの鉄道トンネル◇  世界最長の鉄道トンネルと言えば青森県と北海道を結ぶ青函トンネル。しかし来年その座を譲ることになるのをご存じだろうか。スイス・チューリヒとイタリ・ミラノをつなぐ新しい高速鉄道路線に、アルプス山脈を貫く全長57キロの「ゴッタルドベーストンネル」が来年開通する。工期20年、総事業費100億ドル、掘削土2820万トン、最大土かぶり2300メートルという超巨大・超高難度工事。掘削は2010年に完了し、現在は鉄道敷設や設備工事が進む。日本でも近い将来、リニア中央新幹線の南アルプストンネル(延長25キロ)工事が始まる。本家アルプスのトンネル「ゴッタルドお姉さん」の成功にあやかりたい。  ◇トンネルの掘削延長は合計152キロ!!◇  施工は欧州企業を中心とする複数のコンソーシアムが4工区をそれぞれ担当。径約10メートルの単線トンネルを2本、並走する形で構築した。立坑や両トンネルの接続路、非常用トンネルなどを合計すると掘削延長は152キロにも達する。57キロ×2本の本線トンネルのうち8割を4基のトンネルボーリングマシーン(TBM)で掘り進めた。トンネル内には2つの非常用駅が設置され、地上への避難路につながっている。 トンネル内部では線路敷設などの工事が進む(©...

2015年4月17日金曜日

【回転窓】インフラのストック効果

 東京・霞が関にある国土交通省の庁舎の正面玄関脇で、インフラの「ストック効果」を知ってもらおうというパネル展示が行われている▼〈高速道路ができて養殖マダイの全国シェアが拡大!〉〈十勝の産業を支える交通基盤、生乳生産量が増えた!〉〈水質改善で松江に新たな観光名所が誕生!〉…。それぞれのパネルが、そんな表現で整備後の効果を分かりやすく示している▼ストック効果には「生産拡大効果」と「民間投資誘発効果」があり、相互に連関しながら経済の発展につながっていく▼埼玉県東部の春日部市などでは、世界最大級の地下河川「首都圏外郭放水路」が整備されたことで、水害が1980年代の10分の1以下に減ったという。春日部市は「水害に強い都市基盤」をPRし、物流倉庫や大型ショッピングセンターの誘致に成功している▼海外に流出する可能性があった企業を国内にとどまらせるなど、インフラ整備には立地競争力を高める効果もある。とかく短期需要の「フロー効果」で語られがちな公共投資。ストック効果は建設業の社会的役割をより...

【ちょっと一息】雪の大谷はどうやって作るの?/立山黒部アルペンルート、全線開通

雪の大谷ウォークは6月11日まで楽しめる予定 (写真:立山黒部貫光報道発表資料より)  立山黒部アルペンルートが16日に全線開通し、今年も立山&黒部の観光シーズンがスタートした。10メートルを超す高さの雪壁でおなじみの「雪の大谷」は、立山有料道路室堂地区と呼ばれる場所(バスで行くべし)にあり、長さは約500メートル。2車線の道路を、片側は路線バス、もう片側は歩道として利用する。  さて、ここで疑問に思うのは、この雪壁をどうやって作っているのか。インターネットの動画投稿サイトなどに映像がアップされていて、海外でも有名な話かもしれないが、せっかく取材したので、ご存じの方も我慢して先を読んでください。  ◇GPSとブルドーザー◇  疑問を解決するため取材したのは、富山県道路公社の立山有料道路管理事務所。素人質問にも担当の方は丁寧に回答してくれました(感謝)。  まず、豪雪で場所が分からなくなった道路をどうやって把握するか。それは「道路のセンターラインの位置を事前に登録して、GPS...

【働き続けるって大変】建設コンサル業界、離職者の5割超が若手・中堅

 ◇時間外労働問題の根深さ如実に◇  建設コンサルタンツ協会(建コン協、大島一哉会長)が会員企業を対象に行った「所定外労働時間等に関する実態調査」(15年調査)によると、全社員に対する離職者の割合は、202社平均の13年度実績で3・9%となり、12年度の5・1%から減少した。ただ、離職した年代は会社の将来を担う20代、30代の若手・中堅世代が約56%と半数を超え、特に売上高100億円超の大手ではこの世代が離職者の8割近くを占めた。  正社員の離職率は、全企業ベースで11年度4・6%(有効回答202件)、12年度5・1%(203件)、13年度3・9%(202件)と推移。離職者の年齢層(15年調査)は全会員企業ベースで「20代」が21・9%、「30代」が33・8%に対して、売り上げ規模が100億円以上の企業は「20代」が40・9%、「30代」が36・4%と高い割合となっている。  ◇「このままでいいのか」将来が不安…◇  離職理由(有効回答172件)は「本人による職務適性がな...

【新しいテーマパークができるぞー】名古屋市にレゴランド・ジャパン/17年上半期にオープン予定

1期工事完成後のイメージ  英国のマーリン・エンターテイメンツ社は15日、「レゴランド・ジャパン」の着工式を名古屋市港区の金城ふ頭で行った。約13haの敷地にアトラクションや飲食施設などを2期に分けて整備する。1期分を17年上半期にオープンさせる予定。設計は同社の創造・開発グループ会社マーリン・マジック・メイキング・チーム、施工を大林組が担当する。  「レゴランド」は現在、海外の5カ国、6カ所にある。16年にはドバイで7カ所目がオープンする予定。国内では名古屋が初となる。  建設地は、名古屋市国際展示場に隣接し、1期で現駐車場の約9ha、2期では第1展示館を取り壊した跡地約4haを開発する。  2~12歳の子どもと家族連れがターゲットで、海外のパークで人気の遊びながら学べるアトラクション、乗り物、レストラン、ショップなどのほか、名古屋城など日本や名古屋で象徴的な建物をブロックで表現した「ミニランド」も整備する。...

【ギラヴァンツがうらやましい】北九州市でスタジアム建設がスタート

スタジアムの完成イメージ。17年3月の供用開始をめざしている  北九州市が計画している「スタジアム整備等PFI事業」建設工事の起工式が16日、小倉北区浅野3丁目の現地で行われた。規模はRC一部S造6階建て延べ約2万4000平方メートル、設計・建設費は約92億円。九電工を代表企業とする特別目的会社「ウインドシップ北九州」が設計・建設と維持管理、運営を担当する。Jリーグのシーズン開幕に合わせ、17年3月に供用する。  スタジアムは現在、サッカーJリーグ2部(J2)で戦うギラヴァンツ北九州のホームとなるほか、ラグビートップリーグの試合など多目的に利用できる。  PFIの事業方式はBTO、維持管理・運営期間は32年3月まで。観客席は1万5066席。将来的には海側に増設し2万席まで拡張できる。新たなシンボル施設となるよう、メーンスタンド全面を覆う屋根は船のマストをイメージしたつり構造のデザインとす...

【歌舞伎町に長澤まさみさん現る!!(ゴジラも)】新宿東宝ビルが完成したぞー

長澤まさみさんと、意外に小柄なゴジラさん  東宝が、東京・新宿の歌舞伎町にあった新宿コマ劇場と新宿東宝会館の跡地で建設を進めていた延べ床面積5万平方メートル超の「新宿東宝ビル」が完成した。  ビルと靖国道路をつなぐ「歌舞伎町セントラルロード」の開通式典には、東宝の島谷能成社長や東京都の秋山俊行副知事、新宿区の吉住健一区長と中山弘子前区長、設計・施工を担当した竹中工務店の竹中統一代表取締役会長、女優の長澤まさみさんらが出席。関係者によるテープカットも行われた。 実物大(?)のゴジラさんも笑顔でお祝い  新宿東宝ビルの建設地は新宿区歌舞伎町1の19の1。地下1階地上30階建てで最高高さは130メートル。1階に飲食店舗、2階に遊技場、3~6階に12スクリーンを持つシネマコンプレックス(2347席)、8~30階に約970室のホテルなどが入る。  8階の屋外テラスには、東宝が手掛ける映画に登場する怪獣「ゴジラ」の頭部をかたどった模型を設置。高さ12メートル、重さ約80トンで...

2015年4月16日木曜日

【ちょっと一息】体脂肪率のお話

体脂肪率の低さが一流選手の証!?  サッカー日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督が代表チームに招集した選手の体脂肪率を結果的に公表してしまい、15日になって個人情報の漏洩を謝罪したという。そもそも、ハリル監督が言いたかったのは、国内でプレーする代表選手は身体作りから準備不足だという点で、「おまえらしっかりしろよ」と警鐘を鳴らしたかったのだろう。体脂肪率という言葉は、「多いと悪、低いにこしたことはない」という印象を受ける。実際、脂肪が燃焼しやすくなるなどのコピーが付いた飲料や食品を目にすると、つい手が伸びてしまう人が多いのでは?  一般の方はさておき、スポーツ選手、特にサッカー選手と体脂肪率の関係が気になって調べてみると、面白いことが分かった。ある大学が行った研究によると、身長や体重がまったく同じで、体脂肪率だけが異なる、すなわち筋肉の付き方が違う複数の人が、急激なストップやターン、急加速や急減速が多いサッカーのようなスポーツをすると、体脂肪率が低い人の方が時間経過によるパフォー...

【頑張れTEAM NIPPO】世界3大自転車レース「ジロ・デ・イタリア」参戦

転載元「TEAM NIPPOホームページ」 NIPPOが活動を支援している自転車ロードレースチーム「NIPPO・ヴィーニファンティーニ」が、世界3大自転車レースの一つである「ジロ・デ・イタリア」に初参戦する。日本企業がメーンスポンサーに入ったチームがジロ・デ・イタリアに参加するのは初めて。チームを指揮する大門宏監督は15日、レースを前に東京・京橋のNIPPO本社で記者会見し、「21に分けられたステージ(区間)の一つでは勝ちたい。可能性は十分にある」と意気込みを語った。   ジロ・デ・イタリアは、毎年5月に3週間にわたってイタリアを一周する自転車プロロードレースで、ツール・ド・フランスと並ぶメジャー大会。NIPPO・ヴィーニファンティーニは今年、国際自転車競技連合(UCI)の最上位チームが集まるプロフェッショナルチームに次ぐ「プロコンチネンタルチーム」に昇格。平均年齢25歳という若手中心のチーム編成などが評価され、ジロ・デ・イタリアの主催者による特別推薦枠(ワイルドカー...

【回転窓】「女性役員が当然」になれば

会見する奥山市長  来年行われる米大統領選にヒラリー・クリントン前国務長官が出馬することになった。出馬表明の様子を動画で見た▼出産や起業などについて話す若者が登場。最後にクリントン氏が「普通の人の擁護者になりたい」と語り掛ける。イメージ戦略と分かっていても、親しみやすさを感じさせる▼米国初の女性大統領への挑戦という点に注目してしまうが、世界を見渡せば、韓国の朴槿恵大統領、ドイツのメルケル首相など女性の指導者は少なくない。仙台市で先月開かれた第3回国連防災世界会議では、ワルストロム国連事務総長特別代表をはじめ、総括記者会見を行った3人が全員女性だった▼その一人、奥山恵美子仙台市長は、「女性を災害弱者として位置付けてきたこれまでの考え方は間違いであり、しっかりとした主体だ」と指摘。女性が力を発揮できるような取り組みが必要だと強調した▼業界団体などの新年度の総会シーズンが始まる。建設業に限った話ではないが、出席者が男性ばかりというケースは少なくない。「女性役員がいて当然」という状況に...