2015年4月19日日曜日

【アルプス山脈をぶち抜け!!】スイス~イタリア間に世界最長の鉄道トンネル、来年開通へ工事着々

岩盤を貫通したTBM(© AlpTransit Gotthard Ltd.) 

 ◇世界最長、57キロの鉄道トンネル◇

 世界最長の鉄道トンネルと言えば青森県と北海道を結ぶ青函トンネル。しかし来年その座を譲ることになるのをご存じだろうか。スイス・チューリヒとイタリ・ミラノをつなぐ新しい高速鉄道路線に、アルプス山脈を貫く全長57キロの「ゴッタルドベーストンネル」が来年開通する。工期20年、総事業費100億ドル、掘削土2820万トン、最大土かぶり2300メートルという超巨大・超高難度工事。掘削は2010年に完了し、現在は鉄道敷設や設備工事が進む。日本でも近い将来、リニア中央新幹線の南アルプストンネル(延長25キロ)工事が始まる。本家アルプスのトンネル「ゴッタルドお姉さん」の成功にあやかりたい。

 ◇トンネルの掘削延長は合計152キロ!!◇

 施工は欧州企業を中心とする複数のコンソーシアムが4工区をそれぞれ担当。径約10メートルの単線トンネルを2本、並走する形で構築した。立坑や両トンネルの接続路、非常用トンネルなどを合計すると掘削延長は152キロにも達する。57キロ×2本の本線トンネルのうち8割を4基のトンネルボーリングマシーン(TBM)で掘り進めた。トンネル内には2つの非常用駅が設置され、地上への避難路につながっている。
トンネル内部では線路敷設などの工事が進む(© AlpTransit Gotthard Ltd.) 

 ◇アルプスの自然環境保護が目的の一つ◇


 全線開通すれば、アルプス山脈を縫うように走る既存鉄道よりも距離が大幅に短縮され、チューリヒ・ミラノ間の旅客列車の所要時間が3時間以下に。路線は貨物との共用で、アルプス山脈を越えるトラック輸送を減らす効果も期待されている。スイス政府は「アルプスの環境保護」を事業の目的のひとつに掲げている。

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