◇経験積み、いつか現場所長に◇
ゲリラ豪雨対策で地下にトンネル式地下調整池を構築する「白子川地下調節池工事(その6―2)」(東京都練馬区)の現場で働く。主に施工管理を担当し、業者の特性や現場の状況を見極めながら作業手順を調整する。「腕次第でいくらでも作業効率が上がる。気を抜けないが、毎日が充実していて楽しい」と話す。
小学3年生の時、阪神大震災に遭遇した。幸いにも住んでいた地域は被害が少なかったが、「幼心にインパクトがあった」。この体験がのちに、「震災からの復興や豊かな生活を支えるのはインフラだ」との考えにつながり、土木の道に進むきっかけとなった。
大学院で土木を学んだ後、09年に入社。設計部門を経て建設現場に配属された。念願の仕事だったが「最初のころは本当にきつかった」と振り返る。現場で使われる専門用語が理解できず、段取りも分からなかった。そして、「社員だから一人で何でもできなきゃいけないと思った」。いつしか、さまざまなストレスが重なり、心身ともに厳しい状況に追い込まれた。そんな時に助けてくれたのは職場の同僚や職人たちだった。「モノは一人で作るんじゃない」。そう実感した。仕事もうまくいくようになった。
近く結婚する。仕事は続ける予定で、「経験を積んでいつかは現場所長になりたい」と目を輝かせる。(いのうえ・あずさ)
0 comments :
コメントを投稿