女性活躍掲げた目標をどう達成するのか、各社の姿勢が問われることになる。 |
日本建設業連合会(日建連、中村満義会長)は、「『けんせつ小町』が働きやすい現場環境整備マニュアル」を策定し、4月13日付で会員企業に通知した。「けんせつ小町」の愛称を付けた建設業の女性技術者・技能者がさらに働きやすい環境を整えるのが狙い。同時に15年度に創設した「けんせつ小町委員会」の初会合を開催。委員長に就いた三井住友建設の則久芳行代表取締役会長は「女性が普通に活躍できる産業となるよう活動したい」と意欲を示した。
日建連は、技術系女性社員比率10%、今後10年で確保する技能者の新規入職者90万人のうち20万人を女性にといった目標を設定しており、マニュアルの実行を会員各社に求める。マニュアルはけんせつ小町委員会がフォローアップしていく。まずは女性が働きやすい職場環境を現場で整えるため、現場に女性専用の▽仮設トイレ▽鏡付き洗面所▽更衣室▽休憩室-の設置を各社に促し、敷地や工事規模の都合で対応が難しい場合でも配慮を求めた。
業界団体が先導役となり、目標を設定してアクションプランや環境整備マニュアルを整え、各社の取り組みを後押しするのは、男性が圧倒的に多い建設産業にとって大きな一歩だろう。取り組みは緒に就いたばかりで、企業がどう動くかはこれからだといえる。
けんせつ小町委に設けられた部会の北井久美子部会長(三井住友建設社外取締役)は、初会合後の会見で「各社が具体的な活動で成果を上げることが大事だ」と指摘した。建設産業で女性の活躍の場を広げていく活動は、気を遣いすぎても、遣わなすぎてもいけないという、力の入れ加減が難しい課題。入職以上に定着が課題となっている現状もあり、則久委員長は「それぞれの企業が考えるべき問題だ」とし、会員企業各社による前向きな対応に期待を寄せる。
最も大切なのは、業務の最前線である建設現場やオフィスなどで男性、女性に関係なく個人個人がこの課題をどうとらえ、行動に移していくかだろう。女性を含めたダイバーシティー(人材の多様化)に対する企業の姿勢が問われているととらえることもでき、掲げた目標を達成するための覚悟と姿勢が企業ごとに徐々に鮮明になってくるはずだ。
高まり始めた「女性に活躍してもらいたい」「女性も活躍したい」という機運を萎ませないためには、最前線の声に耳を傾け丁寧に応えていくことや、本音を語り合える環境を作り上げることが必要なのではないだろうか。
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