2016年3月10日木曜日

【回転窓】お城と観光立国

住まいがある神奈川県小田原市の観光地・小田原城址公園。桜の名所としても知られ、春には満開の桜と小高い山の上に復元された天守閣を眺めに多くの観光客が訪れる▼老朽化が進む天守閣は仮設足場に覆われ、4月下旬まで耐震改修工事中。お花見には間に合わないが、毎年5月3日に行われる地元最大の観光イベント「小田原北条五代祭り」までには新天守閣がお披露目される▼戦国大名・北条氏の居城だった小田原城は、難攻不落の名城としても知られる。豊臣秀吉の小田原攻めに備えるために築造された土塁や空堀などで城下町を囲う総構(そうがまえ)は延長9キロにも及んだ▼放映中のNHK大河ドラマ「真田丸」。多くの大名や武将が群雄割拠する戦国時代にスポットを当て、地域を治める拠点となる城の重要性も描かれる。標題は1614年の大坂冬の陣で豊臣方の武将・真田幸村が大坂城防御の弱点を補うために築いた出城の呼称。大軍の徳川勢を撃退して武勇を高めた▼地域の歴史・文化に深く関わる城は重要な観光資源。適切に維持管理し、その価値を高める取り組みも観光立国の実現に欠くことはできない。

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