◇文化財修復施設や人材育成拠点を整備◇
奈良県は、歴史文化資源活用の先駆的拠点として整備する「(仮称)奈良県国際芸術家村」の基本計画を16年度にまとめる。
天理市杣之内町内の私有地を候補地とし、文化財修復施設や人材育成・教育研究施設、レストラン・宿泊施設などの整備を想定している。
具体的なスケジュールは未定だが、基本計画策定後、5年以内の整備完了を目指す。15年度2月補正予算に事業費66百万円を計上した。
県では、整備構想の具体化を図るため、本年度に有識者委員会「奈良県国際芸術家村構想等検討委員会」を設置。これまで2回の会合を開き、候補地や施設機能などの検討を重ねてきた。
国内外の大学が活用できるサテライトキャンパスの整備に合わせ、奈良の文化・芸術を後世に伝える教育・研究・活動の場を整備し、人材育成や県民に文化活動の機会を提供することをコンセプトに掲げる。
県が示したコンセプトイメージでは、▽教育・研究▽文化財修復▽人材養成▽交流・憩い-の4ゾーンを設定。教育・研究棟(セミナー室、研究室など)や文化財修復棟(作業所、一時保管所など)、人材養成棟のほか、交流・憩いゾーンには「ホテル・レストラン・交流棟」「居住棟」「長期滞在・合宿棟」「ハイカー・サイクリスト棟」の整備をイメージしている。延べ床面積は計7棟で約1万2500平方メートルを見込む。
候補地については、委員会で土地取得やアクセス、造成・建築の容易性、地元市町村との連携などを基準に検討。四つの候補地の中から、天理市が推薦した天理教杣之内グラウンドを選んだ。国道25号に面した敷地約17ヘクタールで、JR近鉄天理駅の南東約2キロに位置する。
県では、施設に必要な機能や規模などを検討するため、16年度から基本計画の策定作業に入り、秋をめどに計画を固める方針だ。基本構想策定業務をパシフィックコンサルタンツが担当している。
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