大林組が建物屋上から打診検査用の機械や目視検査用のカメラを搭載したロボットをつり下げて外壁タイルの劣化度を診断する外壁検査システムの新型を開発した。
垂直方向しか移動できなかった旧型システムを改良。左右に伸縮するアームをロボットに取り付けることで、1度に検査できる幅を最大3600ミリに拡大した。
1時間当たり80平方メートルの検査が可能になるという。建設技能者不足を補う技術として積極的に採用を提案していく。
旧型システムは、垂直方向にしか移動できなかったため、窓やひさしなどの障害物の下にあるタイルを検査できず、作業員が建物内に入って障害物周辺の検査を行う必要があった。
新型システムは、検査機構がアーム上をスライドすることで3600ミリ幅のタイルの列を10秒程度で効率よく検査でき、障害物周辺もカバー。作業員の立ち入りを最小限に抑えられるため、建物使用者のセキュリティーやプライバシーの向上につながる。
旧型システムではできなかった打診検査用機械と目視検査用のカメラを連携して同時に動作させることが可能。カメラで目地を認識し、タイル中央部を1枚ずつ高速で打診しながら自動で撮影できる。
1日当たり最大約500平方メートルの検査が可能で、作業員による検査や旧型システムに比べ、検査にかかる時間を半分程度まで短縮できると同時に、より正確な検査結果を得られるという。
打診検査時の打音データは、検査に並行しタイルの浮きの有無、ひび割れなどの撮影画像と共に、タイルの位置情報を付加した上で診断結果として内蔵記憶装置に保存される。
データ処理ソフトを使い、建物の立面図上に診断結果を一覧表示できる。任意の範囲で浮きやひび割れのあるタイルの枚数を位置情報とともに一覧として出力することも可能。劣化の多い建物では、診断結果を立面図に手書きする方法に比べ、報告書の作成にかかる時間を半分に短縮できるという。
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