2016年3月28日月曜日

【回転窓】シンギュラリティの世界

AI(人工知能)の話題が紙面をにぎわせている。囲碁で世界トップクラスの棋士を負かし、AIが創作した小説が文学賞の予選を通過した▼将棋やチェスなどではAIが人間のチャンピオンに勝ったことはあった。ただ、囲碁はルールの複雑さと棋譜の多様さから、プロ棋士を負かすには数年かかると言われていただけに、今回の勝利は技術進歩の速さを示したと言える▼AIはどこまで進化するのか。人間の知能を超え、自ら意思を持つようになるのか。技術開発と進化の主役が人間からコンピューターに移る特異点を「シンギュラリティ」という。それが2045年に来るとの説がある▼昨年6月に総務省の研究会がまとめた報告書では、45年には「人間に伍する機能を持つAIは実現されないとの認識が主だった」とある。ただ、より長期を考えると人間を超えるAIが実現し得るとも▼物理学者ホーキング博士は「完全なAIを開発できたら、それは人類の終焉を意味する」と発言している。進化したAIが人間を攻撃するのは映画の世界だけだと思うが、AIが今後どう活用されていくか、興味は尽きない。

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