時は元禄9(1696)年、弥生終わりの29日。江戸にあふれるゴミ問題で、幕府は大きな決断をしたのであった…▼江戸幕府が開かれてほぼ1世紀がたった5代将軍綱吉の時代、江戸の町は人口の急増で市中にゴミがあふれ、衛生状態も極度に悪化していたそうだ。苦慮した幕府は、江戸市中のゴミ捨て場として隅田川河口の永代島付近(現在の東京都江東区永代)に目を付け、3月29日(グレゴリオ暦4月30日)、ゴミを利用した埋め立てを許可した▼江戸でゴミ問題が深刻化し始めたのは1600年代半ばごろ。ゴミで道路を補修してはいけない、下水溝にゴミを捨ててはいけないといったお触れを出したが、社会が安定し人々の暮らしが豊かになるにつれ、ゴミ問題はますます大きくなり、埋め立てという策に行き着いた▼永代島の埋め立てはゴミの分別やリサイクルといった仕組みを生み出した。さらに1698年に架けられた永代橋。約20年後に財政難で廃止されそうになったが、町が維持補修費を全額負担する条件で存続を許された▼ゴミ処理にインフラの維持管理。結局、歴史は繰り返すということか。
0 comments :
コメントを投稿