2016年3月1日火曜日

【就活戦線、本格始動】どうなる17年春採用、短期決戦で企業・学生の動きに注目

企業の会社説明会が1日解禁され、2017年卒の採用・就職活動が本格的に始まった。

 日本経済団体連合会(経団連、榊原定征会長)は昨年公表した新たな新卒採用指針で、17年春入社の大卒採用は選考解禁日を「4年生の6月1日」に設定。会社説明会から3ヶ月間の採用・就職活動は企業にとっても、学生にとっても例年以上に〝短期決戦〟になる。

 建設業界の採用戦線を見ると、主要ゼネコンを対象にした日刊建設工業新聞社の調査で17年春の採用計画人数を回答した29社は、微増・微減が大半を占めた。

 合計人数(予定)は2942人。採用人数が16年春入社を上回るのは16社で、3年連続で増員を計画するのは清水建設、フジタ、東急建設など9社となっている。東洋建設は17年春に70人の採用を計画。同社人事部は「事業量に対する要員確保と若手職員の継続的な育成、技術伝承が目的」としている。

 リクルートグループの研究機関、就職みらい研究所の調査によると、企業1260社の17年春採用は「前年と変わらない」とした回答が最も多かった。「採用選考解禁前」の5月までに「面接」を行い、「内定・内々定」を出し始める企業の割合は、それぞれ67・9%と44・1%。採用数が計画に届かなかった場合でも、51・2%は「求める人材のレベルは下げない」と回答した。


経団連の採用指針は約1300社の会員に対して示したもので、罰則のない紳士協定という位置付け。外資など経団連に加盟していない企業は指針の枠外にあり、経団連の会員であってもどこまで守るか、判断は企業側に委ねられている。

 土・日曜日や祝日、平日夕方以降を活用した選考活動の実施、インターンシップ(就業体験)と選考活動の明確な線引き、留学生に対する選考機会の提供など、指針には期日以外の項目も明記されている。

 限られた時間の中で学生は、社会人生活の第一歩を踏み出すための重要な選択をしなければならない。企業も将来を担う優秀な人材を見極め、しっかりと確保することが求められる。

 企業間の人材獲得競争が依然としてし烈を極める中、採用戦線で苦戦を強いられることが多い建設業界、そして業界の中でも地方企業や中堅・中小企業は思い描いた採用がなかなかできずにいる。

 短期決戦といわれる今年の採用・就職活動で学生は企業に、企業は学生にどうアプローチし良い出会いを築いていけるのか。限られた機会と時間の中で企業は社風や仕事を丁寧に説明し、学生は会社を理解し自分の考えをしっかりとまとめ伝える努力が、例年以上に求められているといえそうだ。

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