2016年3月30日水曜日

【その様子、まさにジッパー(チャック?)なり】NEXCO東日本、移動式防護柵の設置デモ公開

コンクリート防護策を簡単に素早く移動させるBTM
(3月29日、谷和原管理事務所内で)
東日本高速道路会社は茨城県つくばみらい市の関東支社谷和原管理事務所の敷地内で29日、欧米など海外で実績がある移動式防護柵「Road Zipper System」の設置デモンストレーションを報道関係者に公開した。高速道路の本線の車線規制を伴う工事の安全対策の一環で、同防護柵を国内で初めて実工事に試行導入する計画。4月上旬~8月上旬の導入期間中に安全性や作業効率、コストなどを検証した上で、本格適用の是非を判断する。

 今回導入する移動式防護柵は米国のLINDSAY社の保有技術。コンクリート製防護柵を、専用の防護柵切り替え用車両(BTM)で簡単、効率的に移動させることが可能。作業スピードは時速10キロ程度。工事区間や道路の混雑状況に合わせて車線規制の範囲を自在かつ安全に変えられる。コンクリート製の防護柵を専用金具で隙間なく連結するため、作業員の安全性の向上が図れる。

 初弾は常磐自動車道の「初石BOXはく落対策工事」。上り線の柏インターチェンジ(IC)~流山ICの施工区間(蓋掛け・半地下構造)のうち、約2キロを移動式防護柵で車線規制する。重交通路線での工事規制渋滞を効率よく軽減させるため、車線規制の変更は1日に3回行う。

 BTMや防護柵については東日本高速会社グループがLINDSAY社からリースを受け、現地作業も一貫して行う予定。4月上旬の試行導入を前に、谷和原管理事務所内でオペレーターの実地訓練を実施中。コンクリート製の防護柵の現地への搬入作業も順次進める。

 試行導入では現在行われているラバーコーンによる車線規制を新技術による規制に変更し、安全面や作業性などを確認。一般的なラバーコーンの設置作業には4~5人程度を配置するが、移動式防護柵ではオペレーター2人だけ。人力作業の省力化が図れるとともに、本線内に人が立ち入る作業がなくなり、安全性も格段に高まる。

 試行導入の結果を踏まえ、BTMなどの購入、リース期間の延長などを判断する方針。担当者は「大規模更新事業など、長期間、長い区間の車線規制を伴う工事で導入効果が大きくなる。将来的にはラッシュ時など交通量の増減に合わせて、上下線の車線数を弾力的に変更するような渋滞緩和策などにも活用できる」と話している。

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