◇候補地は市民球場跡、140億円投資◇
サッカーJ1・サンフレッチェ広島が専用スタジアム整備で独自案をまとめた。広島市中心部にある市民球場跡地(中区)を候補地とし、収容人数2万5000人のスタジアムを140億円を投じて建設する。
吹田スタジアム(大阪府吹田市)の整備スキームを手本に、県と市の補助金は想定せず、企業・個人の寄付などで費用を賄う考え。建設地を球場跡地にすることで中心市街地のにぎわい創出や観光産業の活性化といった効果も期待できるとしている。
サンフレの独自案は、平和記念公園側のゴール裏スタンドの一部に座席を設けず、スタジアム内から原爆ドームが見えるようにするのが特徴。スタンドは2層で全面に屋根を架け、ピッチとスタンド最前列の距離は5メートルを想定する。
建設費はサンフレの久保允誉会長と、自身が社長を務めサンフレの筆頭株主である家電量販大手のエディオンが30億円を拠出。ほかには企業寄付で20億円、個人寄付で10億円、サッカー振興くじ(toto)助成金で35億円を計画する。
サッカースタジアム整備をめぐり、広島市は球場跡地と広島みなと公園(南区)を候補地に絞り、本年度に実現可能性調査業務を発注した。日本総合研究所に委託した調査では、事業主体や事業スキーム、経済波及効果などの具体的に検討。履行期限は2月末で、結果は広島県、市、広島商工会議所の3者が設けた作業部会での絞り込みで、重要な基礎資料となる。
市が想定するスタジアムの収容人数は3万人で、MICE(国際的なイベント)施設との一体整備も視野に入れる。3日に記者会見した久保会長は、有力とされるみなと公園にスタジアムが建設された場合、「移転による増益効果を見込んでも2年間で債務超過になる。(完成しても)フランチャイズとして使用しない」と断言した。サンフレが独自案を発表したことで、スタジアム整備をめぐる市の判断がどうなるのか、動向が注目される。
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