土曜閉所の拡大が期待される現場は多い (本文とは関係ありません) |
取り組みを表明しているのは、▽全国建設業協会(全建)▽全国中小建設業協会(全中建)▽日本埋立浚渫協会(埋浚協)▽日本空調衛生工事業協会(日空衛)▽日本建設業連合会(日建連)▽日本道路建設業協会(道建協)▽日本電設工業協会(電設協)▽日本橋梁建設協会(橋建協)▽プレストレスト・コンクリート建設業協会(PC建協)-など。
1月以降に表明された対策や取り組みを見ると、全中建は週休2日を推進しつつ、会員企業に時間外労働の削減計画を策定してもらう働き方改革の具体策を2月1日に明らかにした。働き方改革に臨む中小建設会社の方針を初めて明文化し、豊田剛会長は「経営トップにリーダーシップの発揮を促す」と意欲を示した。
3月は、新たな対応が相次いで打ち出された。全建は週休2日の実現に向け、毎月の休日を毎年1日ずつ着実に増やそうと、「休日 月1+(ツキイチプラス)運動」を18年度から行うことを15日の理事会で決定。近藤晴貞会長は都道府県建設業協会の首脳に「一体となって展開したい」と呼び掛けた。傘下の協会は、「会員の実情に合わせて行いたい」(飯塚恒生東京建設業協会会長)と前向きな姿勢を見せている。
電設協は22日に基本方針を公表した。22年度に週休2日を実現する目標を掲げ、隔週の土曜閉所によって20年度末までに4週6休の定着を目指す。時間外労働は、23年度末までに840時間以内とする。23日に行動計画を発表した日空衛も22年度の週休2日実現を目標に設定。時間外労働は、臨時的かつ特別な事情がある場合を除いて法適用後の24年度に時間外労働の上限を「原則年間360時間」にすると表明。長谷川勉会長は「建築現場は働き方改革の導入が厳しかったが、建設業界全体で機運が高まり、同じベクトルに向かっている」と期待感を示した。
日建連は28日の理事会で推進方策を決定し、会員企業の首脳に対応を要請した。賃金水準の改善を伴う週休2日の早期実現や、19年度にかけて段階的に拡大する統一土曜閉所運動の実施などが柱。山内隆司会長は「一丸となって取り組む」と決意を示した。宮本洋一副会長は、週休2日の実現が業界の長年の課題だったことを念頭に、「(国の)バックアップを得ている。
◇週休2日へ取り組み加速◇
大変だが行うと決めた。一筋縄ではいかないがエンジンを掛けたい」と意気込みを示した。自治体の工事などでの実施を課題に挙げつつ、「全体に広げないといけない」とも指摘した。押味至一副会長は、民間工事でも週休2日を定着させることの必要性を強調し、「生産性を上げて、堂々と休ませてもらえるようにしたい」と抱負を述べた。
埋浚協は、作業日が気象・海象に左右される港湾工事の特性を踏まえた「働き方改革推進の基本方針」を同日の理事会で決定。「4週8閉所」を最終目標に位置付け、振り替え閉所による週休2日により、19年度末までに4週6閉所以上(原則第2・4土曜閉所)、21年度末までに4週8閉所(原則土日閉所)の実現を目指す。日建連の自主規制を踏まえた時間外労働の削減目標も設定した。清水琢三会長は「工事に関わる全ての技術者、技能者が実施しないといけない。そのリーダーに立ちたい」と表明した。
全建、埋浚協、道建協は、日建連の団体会員にもなっており、業界一丸で働き方改革に取り組んでいくことになる。
建設業の働き方改革については、政府が17年3月28日に閣議決定した「働き方改革実行計画」や同6月に発足した関係省庁連絡会議を踏まえ、国土交通省が3月20日に「加速化プログラム」を発表。直轄工事で4週6休以上を実行できた際に経費を割り増したり、ICT(情報通信技術)の活用を促すために積算基準を改定したりする。公共工事設計労務単価の引き上げも行っており、同省は3月27日に、日建連、全建、全中建、建設産業専門団体連合会(建専連)の4団体と意見交換を実施。石井啓一国交相は、「積極的で具体的な取り組みをお願いしたい」と求めた。4団体の首脳は支援措置に謝意を示し、「週休2日が当然と受け止めてもらえるよう努力する」(山内会長)と応じた。
同省は、日本建設業経営協会(日建経)をはじめ4団体以外にも働き方改革の取り組み強化や労務単価の引き上げ分の浸透を要請した。業界には「4週4休が精いっぱいの企業が4週5休にした努力にも報いてほしい」(建設関係団体幹部)といった意見もあるが、多くの団体が加速化プログラムに謝意を示しており、18年度は週休2日の動きが一段と活発化しそうだ。
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