2021年4月2日金曜日

【基本設計や民間連携手法検討】東京都、日比谷公園の再整備に着手

再整備完了時のイメージ

  東京都は、千代田区にある都立日比谷公園の再整備に向け、2021年度に園路や広場などの基本設計に入る。都公園審議会が3月25日に提出した「都立日比谷公園の再生整備計画」の答申をベースに整備事業を進める。「野音」の名で親しまれる大音楽堂の建て替えなど一部施設の整備には、民間資金の活用を想定している。都は設計作業と並行し、民間活力の導入手法も検討する。

 開園130周年を迎える33年を再整備完了の目標に据える。答申に盛り込まれた施設計画によると、園内全体で開放性や景観性、歴史性を引き出す観点で改修・再整備する。例えば園内をS字型に通る園路は回遊を楽しめるよう手を加える。

 園内の広場や施設の整備・運営に当たって、さまざまな手法で積極的に民間活力を導入する方針も示された。園内北西部に新設する広場「(仮称)HIROBAs」は地域団体と連携して運営・管理に当たる。公園の管理所機能などを複合的に集約した「(仮称)パークプラザ」を併設する。

 大音楽堂の建て替えには民間資金を活用するとともに、民間ノウハウを生かした管理運営で利用を促進する。改修・増築設計を進めている日比谷公会堂は、民間運営のレトロカフェを整備し施設の魅力を向上させる。日比谷通り側の隣接地で計画されている民間開発と連携し、南北2カ所には道路上空にデッキを架け、新たなにぎわいや交流を創出する。

 ◇日比谷エリアの魅力創出へ連携◇

 三井不動産は3月31日、東京都千代田区にある日比谷公園内などでレストランを経営する日比谷松本楼(東京都千代田区、小坂文乃社長)と、業務提携に向けた協定を結んだと発表した。締結日は同22日。日比谷松本楼への出資などを通じ三井不が開発を計画する東京・日比谷エリアの魅力を高めるため連携を強化する。

 日比谷公園内の洋食店「日比谷松本楼」は、1903年の公園開設に合わせ創業した。日比谷松本楼の近代史の歴史的舞台としての文化価値を守る思いと、三井不が推進する日比谷エリアのにぎわい創出への方針が合致した。

 2018年3月に三井不は複合施設「東京ミッドタウン日比谷」を開業した。帝国ホテル東京などがある隣接地「内幸町一丁目街区」の開発事業にも参画。今後国家戦略特別区域の認定を受け、大規模な複合開発プロジェクトが進む見通しだ。

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