◇造園の知識生かし早く一人前に◇
今の仕事に就いたのは「公務員だからというより緑に携わる仕事がしたかった」から。子どものころよく遊んだ緑地に桑の林があり、散歩の時に父親が「桑の実は食べられる」などいろいろなことを教えてくれた。話を聞いているうちに、自然と植物に興味を持つようになった。大学に進学する時、「仕事にするなら好きなことをやりたい」と農業大学を選んだ。
大学で造園を学び、風景学から富士山の文化遺産を調べる研究室に所属した。富士吉田から5合目まで実際に登って、富士山信仰(富士講)の遺跡調査も行った。登る途中で「気付くと生活音だけでなく森の音や生き物の音もなくなり、全くの無音になる」という不思議な体験をしたのが今も心に残っている。
働き始めて今年で5年目。大学で学んだ造園の知識は「一目見れば枝切りの時期が分かる」ほど仕事に生かされている。長所は「コツコツやること」だが、「経験がまだ足りない」と自己評価は厳しめ。「資格を取って早く技術者として一人前になりたい」と話す。
尊敬する人物は入庁して最初の上司。「しっかりスケジュールを組んで工程管理ができる」ようになることが目標だ。
家でもコウモリランやハオルチアなど観葉植物を育てている。植物を見ていると「宝石のようなきれいなものを見ている感じ」で心が癒やされるという。
(さんべ・さき)
0 comments :
コメントを投稿