2021年4月27日火曜日

【記者手帖】インフラのありがたさ

 コロナ禍で息の詰まる日が続く。たまには息抜きも必要と思い、新たな趣味として山登りを始めた。野外で他の登山客と距離をとれば密を避けられるし、何よりも自粛疲れで凝り固まった体を動かしたかった。首都圏に「まん延防止等重点措置」が適用される直前、丹沢の大山に登った◆中腹にある大山阿夫利神社の下社までは険しい「男坂」を進んだ。登山客を拒むような石積みの急階段が続き、日ごろ怠けている筋肉と心肺がすぐに悲鳴を上げた。下社を参拝した後に入った登山道も男坂に負けず劣らずの厳しさ。何度も休憩を挟み、悪路に文句を言いながらなんとか頂上までたどり着き、美しい景色を堪能できた◆下山途中で体力が尽き、下社からケーブルカーに乗ると、ふもとの参道まであっという間に到着。登りの苦労を思うと、インフラのありがたさが骨身にしみた◆あれだけ苦しめられた階段も、先人が一つ一つ石を積み上げて整備してくれたからこそ上ることができたのだ。今度、大山を登るときは文句ではなく感謝の言葉を言えるよう、もう少し体力を付けたい。(ま)

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