2021年4月19日月曜日

【3連アーチ橋をスライドし継続利用】栃木県ら、中橋(足利市)架替事業に着手

 栃木県と足利市、関東地方整備局の3者は2021年度、渡良瀬川に架かる「中橋」(足利市)の架け替え事業に着手する。災害対策を強化するため橋の架け替えと堤防のかさ上げを同時に実施する計画。21年度は詳細設計と橋梁下部工の着工を目指す。発注主体や入札契約手続きの時期などは未定。3者で構成する「渡良瀬川中橋架替に関する連絡協議会」で詳細を詰める。

 中橋の所在地は通2。1936年に架けられた3連アーチは市を代表する景観として親しまれている。橋長は約300メートル、県道足利千代田線の一部として県が管理している。

 昨年7月に3者で合意した基本方針によると、現在の橋の3連アーチ部分を下流側にスライドし、歩行者と自転車の通行路として再利用する。現在の位置に新しい橋梁を架設し自動車の通行空間とし、同時に堤防をかさ上げして水害発生に備える。工事方法や迂回(うかい)路の確保などは詳細設計で詰める。接続道路を含めた計画延長は640メートル、事業費は約107億円を想定する。

 中橋周辺の堤防高さは国の計画に対して左岸側が約3メートル、右岸側も約2メートル低い状態にある。渡良瀬川で大規模な洪水が発生した場合、市街地で浸水被害が起こる可能性がある。

 同局は事業実施の前段階として19年度に「R1中橋橋梁及び取付道路予備設計業務」を八千代エンジニヤリングに委託。同業務の成果などをも踏まえ、20年7月に「渡良瀬川中流部の流下能力向上対策における計画段階評価検討委員会」で事業の実施を決めた。

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