2021年4月8日木曜日

【オペレーターの負担軽減、レンタルも視野】鹿島と竹中工務店、タワークレーン遠隔操作システムを初導入


  鹿島と竹中工務店はアクティオ、カナモトと共同開発したタワークレーン遠隔操作システムを東京都内の建築現場に導入した。現場内のコンテナハウスに、操縦席や確認用のモニターなどを据え付け、従来の運転席と同じように操作できる環境を整備。建設資材の揚重への活用を始めた。タワークレーンの遠隔操作の実工事への適用は国内初。今後は、大阪市内の建築工事に適用するほか、清水建設を加えた3社連携で普及・展開を図る。レンタルを見据えて3台の専用コックピットを製作中という。

 開発したタワークレーン遠隔操作システム「TawaRemo(タワレモ)」は、タワークレーンと同じレバーなどを採用して操作性を再現。前方やつり荷の状態、クレーン後方部、ワイヤなどを画面で見ながら作業する。荷重や異常信号などを表示するモニターも、タワークレーンと同様の物を備えた。今回導入したのは軽量の簡易タイプだが、クレーンの揺れに合わせて振動する専用コックピットも用意する。

 タワークレーンの運転席は高所にあり昇降が必要になる。一日中高所で拘束され身体的負担も大きかった。遠隔操作を取り入れることで作業環境が改善でき、操作技能の伝承もしやすくなる。

 工場での動作確認や安全性検証とともに、労働基準監督署による検査を経て実現に至った。鹿島と竹中工務店、清水建設による技術連携の一環となる。今後は、異なる現場で稼働する複数のタワークレーンを集約して操作する拠点構築を見据える。「技術的には固まっており、徐々に事例を増やしたい」(鹿島)、「自動化もスタートしている。着々と共同で開発していく」(竹中工務店)としている。

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