JR東日本の深澤祐二社長は6日、東京都内の本社で記者会見し、鉄道遺構の「高輪築堤」が見つかった東京都港区内で計画する「品川開発プロジェクト」について、「開発と保存の両立の結論を早く出したい」と述べた。
保存の在り方を検討する自民党の会合に、現地保存や記録保存の案の一つを報告済み。I期の1~4街区の開発は、設計変更などに伴い300億~400億円程度の費用が必要になるなどと説明しており、検討の行方が注目される。
高輪築堤は日本の鉄道が開業した明治初期の遺構。象徴的な「第7橋梁」などが、品川開発プロジェクトの都市計画決定された1~4街区と、構想段階(II期)の5、6街区にわたって約800メートル出土。同社は、1~4街区の敷地計約7・2万平方メートルに、160メートル超の複数の超高層ビルなど延べ約85万平方メートルの整備を計画中。出土に伴い関係機関と対応を協議している。
保存を巡っては2街区の公園隣接部と、超高層ビルを計画する3街区の設計変更で遺構を現地保存し、それ以外の街区は記録を残す保存にとどめる案がある。調査費、保存空間の整備、建物の修正設計、発注済み工事材料の精算など300億~400億円程度が必要という。プロジェクトは国家戦略特別区域会議などを経て内閣総理大臣が都市計画決定しており、設計変更は手続きが必要になる。
会見で深澤社長は「しっかり調査した上で開発を進めたい」と述べるにとどめたが「4街区は中心地。共同地権者との開発もあり計画変更は難しい」との考えを示した。費用は「(関係機関に)お願いするかこれから詰めたい」と述べた。I期は2024年ころの街開きを変更していない。
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