前橋市の養豚場で豚熱(CSF)の発生が確認され、群馬県建設業協会(青柳剛会長)の会員企業が埋却場所の整備など対応を本格的に開始した。
県から1日に通報があり、殺処分に伴う造成工事などを2日に開始。前橋支部(三原豊章支部長)の会員約8社が夜通しで工事や搬送作業を続けている。殺処分は約1万頭と国内最大規模になる見通しで、作業は10日以上かかるとみられている。
1日に県の中部農業事務所や農村整備課から協力要請があった。群馬建協は2日に前橋支部と協会本部にそれぞれ対策本部を設けた。支部会員らが対応を協議し、同日午後4時には埋却予定地の試掘や仮囲いの場所の確認に入った。午後8時には埋却予定地の掘削準備を終え、造成工事に着手した。油圧ショベルなどの重機とオペレーターを手配し、幅4メートル、深さ4メートル、長さ50メートルの1本目の埋却溝の構築を開始。工程を調整するとともに、交代シフトを整え、排水や防疫の設備の整備を含めて急ピッチで作業を行っている。5日は2本目の掘削を実施した。
会員企業は工事とともに、自衛隊も関与する殺処分からの搬送作業も行っている。5日はダンプトラック4台で午前7時前から運搬を開始した。作業が長期化するため、20社ほどが関与する公算が大きいという。
群馬県は2020年9月に高崎市内でCSFが発生し、群馬建協は県からの要請で造成工事や搬送を担った。県とは特定家畜伝染病発生時の防疫業務や埋却処分に関する協定を締結している。青柳会長には3日に山本一太知事から協力依頼と対応の謝意を伝える連絡があった。山本知事は国や県の職員、自衛隊とともに建設会社が活躍してくれていることをアピールしている。
殺処分は国内最大規模とされ、群馬建協は前橋以外からの広域支援を準備している。「試行錯誤があったが、掘削を開始した。班編成などを会員企業にお願いし、顔の見える関係の支部が各社の能力を考えながら要請に応じている」と青柳会長。殺処分に伴う過酷な作業も強いられるものの、「こういった活動こそ地域を守る建設業の『防災減災・国土強靱化の1丁目1番地』」として、会員企業とともに地域を守る作業に臨む方針だ。
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