2021年4月15日木曜日

【92年前に完成のモダニズム建築】東京拘置所旧庁舎保存改修(東京都葛飾区)、施工は清水建設に

保存・改修する東京拘置所旧庁舎(法務省矯正局提供)

  法務省は、92年前に完成しモダニズム建築の一つとして知られる「東京拘置所旧庁舎」(東京都葛飾区)の保存に向けた改修工事の施工者を16億8630万円(税込み)で清水建設に決めた。9日に一般競争入札(WTO対象)を開札した。入札には清水建設と竹中工務店の2社が参加。2回の入札後、同社の入札価格が予定価格(契約締結後公表)を上回ったため、不落随契へ移行した。

 工事件名は「東京拘置所旧庁舎保存改修工事」。東京拘置所の旧庁舎は、前身の小菅刑務所の管理棟として旧司法省(法務省)の技師だった蒲原重雄(1898~1932年)が設計し、建設工事は受刑者が担う形で29年に完成した。工事では旧庁舎を構成する西棟(RC造3階建て延べ2013平方メートル)、東棟(S造3階建て延べ1295平方メートル)の耐震補強と改修を行う。

 建築と設備を一括で任せる。外塀の補強や外構も整備する。工事で使用する主な資機材は、建築のコンクリート270立方メートル、鉄筋19トン、鉄骨80トン、ガラス1050平方メートルなど。所在地は小菅1の35の1(敷地面積14・9ヘクタール)。工期は2022年3月11日まで。改修の実施設計は佐藤総合計画が担当した。

 旧庁舎は白鳥が羽ばたくような意匠が特徴的な建物で、1999年には「DOCOMOMO japan」(ドコモモ・ジャパン、代表・渡邉研司東海大学教授)の「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」に選定されている。

1 件のコメント :

  1. 受刑者の方も優秀な設計士さんや大工さんがいらっしゃったのですね。
    そのような方が犯罪に手を染めるというのは社会のストレスが原因ではないでしょうか?
    そのような社会にしたのは政治家や弁護士や医師や警察官や公務員など社会的立場が上の方だとに思います。

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